昆布みたいに海底で「ねじれて」発電する
DEEC-Tecを利用した新しい発電機の1つは、海底に生える昆布のようです。
板型の発電機が海底に固定されることで、海流を受けて前後左右に動いたり、回転するようにねじれたりします。
これにより、発電機を構成する何百、何千もの小型変換器がねじれたり歪んだりして電力を生成するのです。
従来の発電システムは1つの変換器に頼っているので、損傷した場合は全ての機能が停止します。
ところが、DEEC-Tecの発電システムであれば、たとえ一部が損傷しても、残りの変換器の働きにより全体的な機能が停止することはありません。
また従来の波力発電や海流発電では、剛性材料を水流から守るために、頑丈で高価な鉄骨を使用する必要がありました。
しかし柔軟性のあるDEEC-Tecでは、その必要もなく、コストカットに役立つと言われています。
もちろん、「昆布型発電機」以外の応用も可能です。
例えば、波の力で「ウミヘビのように海面を泳がせて」その動きで発電する波力発電機が考案されています。
さらに、内部におもりを付けたボール型波力発電機もあります。
これを海に浮かべるなら、慣性によって内部のメッシュ素材にゆがみが生じ、発電につながるというわけです。
これらはすべて開発初期の段階ですが、さらに大きな可能性も秘めています。
研究チームは、DEEC-Tecが「歩行時にスマートウォッチを充電する衣類」「風の振動で発電する建物」「自動車走行の摩擦でエネルギーを生み出す道路」など、幅広い発電に応用できると考えているのです。
DEEC-Tecは既に特許取得済みであり、今後の開発とその報告にも期待できます。