小型化への思いを繋ぐ「世界最小テレビ TinyTV Mini」
TinyCircuits社はこれまでにもミニチュアサイズのテレビを開発してきました。
彼らは2019年に、「TinyTVキット」と呼ばれる5分以内で簡単に組み立てられる超小型テレビを発売しました。
完成後のTinyTVは幅35.7mm(画面22.8mm)であり、ピンポン玉より少し小さなサイズです。
「テレビ」という名称がついていますが、正確にはmicroSDカードの映像を再生する超小型MP4プレイヤーに該当します。
そして2022年、TinyCircuits社は2種類の新商品「TinyTV 2」「TinyTV mini」を発表しました。
TinyTV 2のサイズはTinyTVと大きく変わりませんが、正当な進化版であり、解像度の向上により映像が美しくなっています。
またTinyTV 2の小型版とも言えるのが、世界最小テレビ「TinyTV mini」です。
TinyTV miniの幅はわずか23.8mmであり、画面サイズは0.6インチ(15mm)しかありません。
1円玉の直径が20mmなので、1円玉で画面が完全に隠れてしまうほど小さいのです。
TinyTV 2とTinyTV MiniはUSB-Cケーブルによって、好みの動画をダウンロードして再生することが可能です。
同じくUSB-Cによって充電できますが、フル充電で約1時間しか連続再生できないため、この点は少し物足りないと感じるかもしれません。
とはいえ、古き良きブラウン管テレビに倣った「ボタンやノブによるチャンネル切り替え・音量調節」が可能であり、これらの機能にワクワクする人も多いでしょう。
そして実は、これら超小型テレビの発売と改良には1つのエピソードが隠れています。
なんと「TinyTV シリーズ」の開発には、1人の日本人「江成 靖(えなり やすし)氏」が関わっていたのです。
江成氏は日本で「MAME-TV」と呼ばれる超小型テレビを製作しており、より良い超小型テレビを開発するためにTinyCircuits社と協力し始めました。
ところが2019年初め、彼の脳に腫瘍が見つかり、共同プロジェクトを断念することに。
江成氏は2019年5月に亡くなりましたが、彼の願い通り、TinyCircuits社がプロジェクトを引き継ぎ、続行。
TinyTV miniの前身であるTinyTVキットの開発に繋がったのです。
ちなみに、江成氏の友人によって「MAME-TV」のプロジェクトも継続しているようです。
さまざまな思いを背負ったTinyTVシリーズは、これからも改良されていくことでしょう。
現在、「TinyTV 2」「TinyTV mini」はクラウドファンディングサービス「Kickstarter」にて支援募集中です。
49ドル(約7300円)の支援で、「TinyTV 2」もしくは「TinyTV mini」を入手できます。