明確な犯人の顔がみえない差別問題
大学教員たちは女子生徒に対して魅力に応じて甘い評定を下していた可能性はあるのでしょうか?
研究者たちによれば「十分に考えられる」とのこと。
もっとも、実験に参加した大学教員の全員が「人を見た目で判断する」ような人物でないことは明らかです。
むしろ1人1人にインタビューを行えば、真逆の答えが返ってくるでしょう。
しかし個人の意思を超えて統計的にみた場合には「女子生徒の成績が男子に比べて魅力と強くリンクして決定される傾向にある」と判断せざるを得ません。
研究者たちは、このような判断傾向は「差別」であると述べています。
しかし、今回の研究結果は人々のまったくの無意識から生じた統計的な結果です。
同様の犯人の個人特定ができない差別は、科学論文の男女での採用率の違いや、米国一部地域での黒人新生児の死亡率の際立った高さなど、教育以外のさまざまな面に存在し、根の深い問題になっています。
では、外見による差別は、そもそもなぜ生じるのでしょうか?
なぜ私たちは美しい人の評価に手心を加えてしまうのか?
研究者たちは、原因を解明するにはさらなる研究が必要であると述べています。