ふたご座雑学:1等星があるのにα星が2等星なのはなぜ
α星とは何か?
通常、その星座を形作る星でもっとも明るい星のことを「α星(アルファせい)」といいますが、命名した人の意図などで違う星座もあります。そして、ふたご座もそんな例外的な星座のひとつなんです。
都会でも、ふたご座を見つけるのは難しくありません。冬の夜空で一番目立つオリオン座を見つけたら、オリオンの左足にある青白い1等星、リゲルからシリウス、プロキオン、ポルックス、カペラ、アルデバランと明るい星をつないでいくと6角形が完成します。
これが「冬のダイヤモンド」と言われるものです。
冬のダイヤモンドを構成する星をひとつずつ見ていくと、ふたご座のところに2つ並んだ星が目につきます。ふたご座のメインの星で、神話の主役である双子の兄弟、カストルとポルックスの名前がそれぞれ付けられています。
肉眼だと明らかに2つの星の明るさが違うのはわかるのですが、カストルは2等星で、ポルックスは1等星です。
「冬のダイヤモンド」を構成するのは明るいポルックスなのですが、主役ともいうべきα星は2等星のカストルなんです。
ふたご座の神話から考える
ふたご座の神話において、カストルが兄でポルックスが弟で、2人は血縁上の父親が違います。乗馬の名手カストルは人間の父親の血をひいており、ボクシングの名手ポルックスは大神ゼウスの血をひいていて不死身です(神話あるあるの、ゼウスの不倫ですね)。
二人は仲が良かったので、戦争でカストルが瀕死になった際、ポルックスがゼウスに頼んで自分の命をカストルに分けて2人で天に上がったという話になっています。
ポルックスは半神で不死身だから明るい星、でもお兄さんはカストルなのでα星の座はカストル、と神話から考えるとスムーズに覚えられますよ。