偉人が飼っていた風変わりなペット6選
その1:アメリカ独立宣言を起草した偉人・ジェファソンの「グリズリー」

まずは第3代アメリカ合衆国大統領で、「アメリカ独立宣言」の起草者の一人でもあるトマス・ジェファソン(1743〜1826)です。
ジェファソンは歴史の教科書にも必ず登場する偉人ですが、なんと彼はグリズリー(Grizzly)の子どもを2頭飼っていました。
このグリズリーは元々、1807年にアメリカの軍人であるゼブロン・パイク(1779〜1813)が購入したもので、それをジェファソン大統領に贈ったものだということが分かっています。

最初は小さくておとなしい子熊でしたが、グリズリーの成長は早く、すぐに囲いを超えてしまうようになりました。
ホワイトハウスの芝生を歩き回る姿も頻繁に目撃されたようで、そのためか、ジェファソンの評判が政敵の間で悪くなったといいます。
彼は2頭のグリズリーを飼いきれなくなると、友人の画家でフィラデルフィア美術館のオーナーに寄贈しました。
その友人は誇らしいことだと2頭のグリズリーを受け入れましたが、ある日、クマが囲いを壊して彼の家族を襲おうとしたため、結局処刑してしまったそうです。
その2:ナポレオンの妻・ジョゼフィーヌの「パグ」

ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネ(1763〜1814)は、歴史上最も有名と言っても過言ではないナポレオン・ボナパルトの最初の妻として有名です。
ジョゼフィーヌはナポレオンの影に隠れがちですが、彼女自身もとても逸話の多い人物でした。
動物好きで、ユニークなペットを何匹も飼っており、特にオランウータンを飼っていたことが知られています。
しかし、彼女の逸話によく出てくるのは「フォルチュネ(幸運)」という名前のパグです。

パグはおとなしい子がほとんどですが、フォルチュネはかなり凶暴で、主人のジョゼフィーヌに近づく者は誰でも噛みついたといいいます。
当のナポレオンも、結婚式の初夜にジョゼフィーヌと横になっていたところ、ベッドに飛び乗ってきたフォルチュネに足を噛まれたといいます。
ナポレオンはフォルチュネをひどく嫌っており、友人に愚痴っていたという記録も残っています。
これに対し、ジョゼフィーヌは「犬が嫌なら他のところで寝れば?」とナポレオンを冷たくあしらったそうです。
ナポレオンと言えば偉大な武人のイメージも強いですが、それを考えるとジョゼフィーヌはかなり強気な女性だったようです。
その3:天文学者ティコ・ブラーエの「ヘラジカ」

ティコ・ブラーエ(1546〜1601)はデンマーク出身の天文学者で、それ以前に前例のない精度で天体観測を行い、1572年に「ティコの新星(SN1572)」として知られる超新星を見つけたことで知られます。
そんな彼が飼っていたのは、ヘラジカでした。
ヘラジカは”世界最大級のシカ”として有名ですが、ティコに対しては愛犬のように懐いていたといいます。
自宅ではいつもティコの後についてまわり、訪れた客人を驚かせていたそう。

しかし、このヘラジカには「酒好き」という一風変わった特質がありました。
ティコ主催のパーティーがあると、誰よりも一番にビールをグイグイと飲み干し、ぐでんぐでんに酔っ払ったと伝えられています。
それを見て客人が大いに笑うというのがお決まりでしたが、ある日、いつものように酔っ払ったヘラジカは階段を登っている最中酔った勢いで転落し、そのまま死んでしまったそうです。