2022年に唱えられた「太陽暦説」とは?
ボーンマス大学の考古学者であるティム・ダーヴィル(Tim Darvill)氏が2022年3月に、次のような「太陽暦説」を提唱しました。
この説については当サイトでも報告しています。詳しくはこちら。
太陽暦は、地球が太陽のまわりを回転する周期をもとにした暦です。
周期は約365.25日で、1年を365日とすると4年でほぼ1日のズレが生じます。
このズレを調整するために閏日(うるうび)が設けられます。
さて、ストーンヘンジの外側のサークルには全部で30個のサルセン石があり、ダーヴィル氏によると、サルセン石1個が1日を表すといいます。
(2020年の研究で、すべてのサルセン石が同じ産地で、同時期に設置されていると判明したことから、一つのユニットとして何らかの機能が持たせられていると予想されていた)
これを10個ずつで1週とし、サークルは全部で3つの週に分けられて、円1周で1カ月とカウントします。
1カ月30日、これが12カ月で360日となります。
足りない5日分は、円の内側に配置された5つのトリリトン(3つの石を組み合わせた門型の構造物)が担います。
ダーヴィル氏は、この5日を閏月として追加したと指摘し、これで365日となります。
ただ太陽暦の周期は365.25日なので、先ほど言ったように4年で1日のズレが生じます。
その4年に1度やってくる閏日を数えるために、ストーンヘンジの四隅に配置されたステーション・ストーンを目印としたというのです。
以上がダーヴィル氏の主張であり、確かに石の数と太陽暦には興味深い一致が見られます。
しかしこれに対し、ミラノ工科大のジュリオ・マグリ氏とスペイン天体物理学研究所のフアン・アントニオ・ベルモンテ氏は「ダーヴィル氏の説は、一連の強引な解釈と根拠のない類推にもとづくものだ」と反論しました。
では両氏はどんな反論をしたのでしょうか?