体を温めたり冷ましたりするウェアラブルデバイス
体を温めたり冷やしたりするウェアラブルデバイスは、これまでにも登場してきました。
例えば、バッテリー駆動の小型ファンが内蔵された一般的な「ファン付きウェア」は、外部の空気を服の中に送り込めるため、いくらか涼しく感じられます。
しかし冷風を送り込めるわけではないため、気温が高ければ高いほど、ぬるい空気が体を通り抜けることになり、思った以上に涼しくなりません。
これには気体の熱伝導率が低いという特性も関係してきます。
またファンの重さや騒音が気になる人もいるでしょう。
対照的にヒーターユニットが付いた「電熱ベスト」なども既に存在します。
電気の力ですぐに温まるというメリットがありますが、基本手洗いのみであり、洗濯に手間がかかります。
また発熱効果が高いため微妙な温度調整が難しく、長時間の着用が難しい場合があります。
さらに電熱線の損傷により、衣服が焦げたり火傷を負ったりするなどの事故が生じるケースもあるようです。
従来の加温・冷却ウェアラブルデバイスは、まさに一長一短な性能なのです。
こうした背景にあって、シェイ氏ら研究チームは静かで軽く、洗濯もでき、しかも効率の良い加温・冷却ウェアラブルデバイスを開発することにしました。