衣服に織り込めるポンプ機能付きのチューブ
衣服に織り込めるポンプ機能付きのチューブ / Credit:Herbert Shea(EPFL)_Thread-like pumps can be woven into clothes(2023)
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「寒さ」「暑さ」対策に革命!チューブを織り込んだ水冷式サーモクールウェア!

2023.04.05 Wednesday

ユニクロの「ヒートテック」「シルキードライ」など、温かさや涼しさを維持するための衣類を重宝している人は多いでしょう。

しかしよりアクティブな仕組みで、外部のエネルギーを使用し着用者を加温・冷却するウェアラブルデバイスも登場しています。

スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)のソフトトランスデューサー研究室に所属するハーバート・シェイ氏ら研究チームは、細いチューブで液体を循環させるウェアラブルデバイスを開発しました。

チューブは衣服に織り込めるため、体全体に温水・冷水を循環させて、体を即座に温めたり冷やしたりできます。

研究の詳細は、2023年3月30日付の科学誌『Science』に掲載されました。

Thread-like pumps can be woven into clothes https://www.eurekalert.org/news-releases/983845 Clothing with interwoven “fiber pumps” could warm or cool wearers https://newatlas.com/wearables/interwoven-tubular-fiber-pumps/
Fiber pumps for wearable fluidic systems https://www.science.org/doi/10.1126/science.ade8654

体を温めたり冷ましたりするウェアラブルデバイス

体を温めたり冷やしたりするウェアラブルデバイスは、これまでにも登場してきました。

例えば、バッテリー駆動の小型ファンが内蔵された一般的な「ファン付きウェア」は、外部の空気を服の中に送り込めるため、いくらか涼しく感じられます。

ファン付きウェアの冷却性能は高くない
ファン付きウェアの冷却性能は高くない / Credit:Canva

しかし冷風を送り込めるわけではないため、気温が高ければ高いほど、ぬるい空気が体を通り抜けることになり、思った以上に涼しくなりません。

これには気体の熱伝導率が低いという特性も関係してきます。

またファンの重さや騒音が気になる人もいるでしょう。

対照的にヒーターユニットが付いた「電熱ベスト」なども既に存在します。

電熱ベストはすぐに温かくなるが、取り扱いが難しい
電熱ベストはすぐに温かくなるが、取り扱いが難しい / Credit:Canva

電気の力ですぐに温まるというメリットがありますが、基本手洗いのみであり、洗濯に手間がかかります。

また発熱効果が高いため微妙な温度調整が難しく、長時間の着用が難しい場合があります。

さらに電熱線の損傷により、衣服が焦げたり火傷を負ったりするなどの事故が生じるケースもあるようです。

従来の加温・冷却ウェアラブルデバイスは、まさに一長一短な性能なのです。

こうした背景にあって、シェイ氏ら研究チームは静かで軽く、洗濯もでき、しかも効率の良い加温・冷却ウェアラブルデバイスを開発することにしました。

次ページ従来のポンプ無しで「液体がチューブを循環する」ウェアラブルデバイス

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