パソコン作業の動作からストレスの有無を調べる実験
人間の些細な行動にも、その人の特性や状態が反映されます。
例えば、イライラしているときのタイピングでは、やたらタイプミスが増えたり、打鍵の勢いが強くなったりしていないでしょうか?
またイライラしながら作業しているときは、やたらカチカチマウスをクリックしたり大げさに動かすこともあるかもしれません。
新しい研究は、そんなキーボードの打ち方やマウスの動かし方にその人が抱えているストレスが反映される可能性を指摘します。
実際、オフィスで働く人は深刻なストレス問題を抱えている場合が多く、今回の実験の場となったスイスでは、従業員の3人に1人が職場のストレスで苦しんでいると言われています。
こうしたストレス問題に対処するには、ストレスの早期発見が大切です。
今回ネーゲリン氏ら研究チームは、90人の実験参加者にパソコンを使ったオフィス業務を行わせ、彼らのストレス度がパソコン作業の動きにどのような影響を与えるか調査しました。
この実験では、参加者のマウスとキーボードの動作、心拍変動、聞き取り調査で自己報告されたストレスレベルが測定されました。
参加者は3つの条件で異なるレベルのストレスを与えられ、作業時に「邪魔なしのグループ」、「邪魔ありのグループ」に分けられ、邪魔ありのグループではチャットメッセージで繰り返し作業を中断させられる、あるいはプレゼン発表をさせられその際に批判されるなどで高いストレスを誘発させました。
こうしたストレスレベルの異なる参加者で、作業時のマウスやキーボード操作に明らかな変化があるかが調査されたのです。