「実験室」は太陽系、原子時計が使用される…。ぱっと見全く意味がわからない実験かもしれませんが、結果はアインシュタインの勝利のようです。
アインシュタインエレベーターって?
科学者たちは最新の原子時計と太陽系を使って、一般相対性理論の中心的な要素の一つである「アインシュタインエレベーター」仮説を検証しました。一般相対性理論は、質量と重力、空間、時間の基礎を扱っており、それが正しいと証明することは、物理学の基礎にとって不可欠です。
アインシュタインエレベーターは、アインシュタインが等価原理をきっかけにして思いついたといわれています。もし「密封された窓のないエレベーター」の中で無重力に浮かんでいる人がいるとすると、このエレベーターが宇宙空間にあるのか、それとも地球上で加速しながら地面に向かっているのか、言い当てることが出来ないのではないか、という仮説です。

現実にはどちらの状況も発生しがたいものですが、原理的には、エレベーターがどこにあろうが、どれだけ速く動いていようが、エレベーター内では同じ物理法則が適用されます。一方の状況では重力が働いており、もう一方では働いていません。しかし、いずれにしても結果は同じになるということに、アインシュタインは気付いたのです。
つまり、この仮説上の自由落下するエレベーター内にあるすべてのもの、例えばあなた、あなたが手を離したコーヒー、あなたの隣の居合わせた人は、全く同じ速度で加速するのです。