原子時計と太陽系を使って検証
アメリカ国立標準技術研究所(NIST)の物理学者たちはこの状況をテストするために、地球を「浮遊する人」、太陽系を「エレベーターシャフト」として考え、検証を行いました。もしアインシュタインが正しく、これらの時計が宇宙を同じ加速度で落ちているとすれば、その値はゼロになります。
私たちが時間を測る上で最も先進的な測定器である原子時計 。今回加速度を測るために使用されたのは、4つの水素メーザー原子時計と8つのセシウム原子時計です。これらの時計の刻みを14年間に渡って比較したところ、その不一致は+0.00000022あるいは-0.00000025であることがわかりました。この数字は信じられないほどゼロに近く、過去の検証と比べても今のところ最善の発見となります。
つまり、太陽、木星、そしてその他の天体からの様々な重力にもかかわらず、原子時計は一定に正確に時を刻み続けたのです。
これまでもこの仮説が正しいとする実験は行われてきましたが、今回特筆すべき点は原子時計が使われているということです。論文著者のBijunath Patla氏は、「この実験を行った主な理由は、従来の時計の限界に気づき、原子時計を使って基礎的な物理学の実験を成功できると示したかったということです。今後、原子時計と物理学の実験はますます結びついていくでしょう」と述べています。
量子力学と一般相対性理論の矛盾は未だ解明されていませんが、もしかしたらこの原子時計が一役買う可能性もあるかもしれませんね。
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/14081
via: Science Alert/ translated & text by SENPAI
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