人が干渉している場所には住まない?
リュウキュウカレキゾウムシは、両肩に黄色いシマシマが入り、ハネに黒、黄色、灰色の鱗片(りんぺん)が生えたユニークな模様をしているため、他のカレキゾウムシと見分けやすいといいます。
また顕微鏡で見てみると、脚の下の方に長い鱗毛(りんもう)も見られました。
これは他のカレキゾウムシと比べると、より長くてフサフサしています。
それから2015年以来、チームは沖縄本島の人口密集地や人為的干渉の影響がある場所を含め、幅広いエリアに捕獲網を設置しました。
ところが、リュウキュウカレキゾウムシが主に捕獲されたのは、やんばる国立公園の手つかずの特別保護地区だったのです。
それと後は石垣島の人為的干渉がない保存状態のいい森林の中だけでした。
このことから、リュウキュウカレキゾウムシは琉球列島で多く見られる他のカレキゾウムシよりも人の存在に敏感であり、人為的影響が少ない場所を好む傾向があると予想されています。
ルイス氏は「今回発見された新種のゾウムシは、飛べない鳥として知られるヤンバルクイナのように、琉球列島に固有の脆弱な動物の一種といえるかもしれない」と述べました。
チームは今後、リュウキュウカレキゾウムシが東アジアに生息するカレキゾウムシとどんな関係にあるのかを知るため、DNA解析を行う予定です。
ルイス氏はまた、このように熱く語っています。
「私の出身国であるカナダでは、ゾウムシの研究が進んでいます。
やんばる国立公園は、まだ生態がよく分かっていない固有種が多く棲息しているので、ここ沖縄での生活は最高です。
琉球列島には、ここでしか見られない種がたくさん存在しているため、私のような分類学者にとっては非常に魅力的な場所なのです」
論文のリンク切れが確認されていますが、リンクミスではありません。