新たな雷観測器・Lightning Imagerはどうやって働く?
Lightning Imagerは、欧州気象衛星開発機構(Eumetsat)が運用する気象衛星・メテオサットに搭載された雷観測器です。
地球から約3万6000キロの距離に位置し、昼夜を問わず、地球大気中の閃光や発光現象を検出することができます。
Lightning Imagerは4台のカメラで構成され、毎秒1000フレームのレートで撮影でき、ヨーロッパ、アフリカ、中東、南米の一部を主要な撮影対象とします。
ESAの地球観測プログラム・ディレクターであるシモネッタ・チェリ(Simonetta Cheli)氏によると、4台のカメラの撮影視野を合わせると地球の片面の84%をカバーできるとのことです。
各カメラは地球大気で起こる様々な発光現象を撮影し、それらの収集したデータをリアルタイムで分析しながら、雷だけを正確に識別して、それ以外のノイズとなる情報を除外。
そして雷のタイムラプス画像と地表の写真を組み合わせて、一連の動画として作成し、地球に転送してくれます。
研究者らは雷雨の動きを宇宙から俯瞰で見ることで、その発生タイミングや移動傾向をより正確に捉えられるようになると考えます。
こうした情報は気象予報士たちの心強い味方となり、人命やインフラを危険にさらす前に、迅速かつ的確に避難指示をすることができるようになるでしょう。
それでは実際に、ESAがLightning Imagerの試運転で撮影した、宇宙から眺めた地球上の雷発生の様子を見ていきましょう。