「雪の結晶」はどのように作られる?
こんこんと降ってくる雪はすべて、上空に浮かぶ雲の中で作られています。
地上の海や川では常に水が蒸発しており、この水蒸気が上昇して集まったものが雲です。
雲の内部では水蒸気が大気中の小さなチリや微生物を芯にして集まり、地上から吹き上げてくる上昇気流によって、雲の上方に運ばれながら成長していきます。
そして氷点下の場所で冷えて、直径0.01mm〜数mmほどに固まったのが「雪の結晶」です。
この画像は単一の雪の結晶を写したものであり、英語圏では「スノウ・クリスタル(Snow Crystal)」と呼ばれます。
一方で、単一の雪の結晶が相互に集まり、上昇気流では支えきれない重さになって地上に落下してくるものが、いわゆる「雪」で、英語圏では「スノウ・フレーク(snowflake)」として区別されているようです。
ただ日本語でスノウ・フレークは「雪片」と訳され、単一の雪の結晶と、複数の結晶が集まって塊になった雪の両方を意味しています。
雪の結晶はなぜ「六角形」なのか?
意外と知られていませんが、実は雪の結晶を拡大してみると、すべて「六角形」が基本のパターンになっているのをご存知でしょうか。
どうして三角形でも四角形でもなく、六角形なのでしょう?
その理由は、雪の結晶のもとになる水分子にあります。
水分子(H₂O)は2つの水素(H)と1つの酸素(O)から成りますが、水分子の一つ一つは正四面体の形を取ります。
ところが、正四面体の水分子が相互に集まって氷になるときには、分子配列のルールにのっとって「六角形」がベースとなるのです。
つまり、六角形が水分子の集合にとって最も安定した形になります。
そしてこの六角形をベースとしながら、まわりに水蒸気がくっついて色々な形に成長していくため、雪の結晶はすべて六角形となるのです。
ただ六角形をベースにするとはいえ、雪の結晶にはたくさんの種類があります。
例えば、六角柱や扇状、針状、樹枝状、砲弾状、矛先状など実にバリエーション豊かです。
結晶の種類の一部をまとめたものがこちら。
実物の拡大写真の一覧はこちらのページからご覧いただけます。
では、こうした雪の結晶の形は何によって決まるのでしょうか?