全体像を把握しやすいと、質の高い計画を立てることができる
今回の研究結果は、デジタルのカレンダーと比較して、紙のカレンダーは予定の全体像を把握しやすく、より詳細で質の高い予定を計画でき、計画達成率が高いことが示されました。
またスマホなどのデジタルのカレンダーであっても、「全体」ビューを使い、他の予定の兼ね合いを考慮し、詳細な予定を計画することもできます。
過去の研究では、デジタルのカレンダーの使用者は計画に関して過剰な自信を持ちやすい傾向があることが報告されています。
本研究の結果は、デバイスの使用者の計画に対する過剰な自信は、計画の全体像を把握できず生じている可能性を示唆しています。
研究チームは「紙のカレンダーは、デジタルのカレンダーと違い、予定をクリックして詳細を開く必要がなく、同時に複数の予定の詳細を確認できる。もしあなたがより詳細で質の高い計画を立てたいなら、紙のカレンダーを使うのはどうだろう」と提案を行っています。
デジタルのカレンダーはさまざまな表示モードがあり、より詳細な内容を書き込むための階層があります。これが便利な部分もありますが、逆にこうした機能が他の予定との兼ね合いや月の予定の全体像の把握を妨げてしまうのかもしれません。
「今後の研究では、今回検討した日常的な活動だけでなく、投資や家の購入などの資金計画を対象に、長期・短期と計画期間を変え、紙のカレンダーの優位性が存在するのかを検討したい」と研究チームは述べています。