夜勤の看護師たちを助ける「仮眠の研究」
人間の身体では、光に敏感な体内時計が日中の覚醒を促します。
逆に夜間では睡眠に向けて脳のスイッチが切れやすくなり、集中力が低下していきます。
しかし、2交替制が採用されている医療機関では、夜勤の看護師たちが夕方16時から朝9時まで働き、その中で2時間の仮眠を取っています。
命を扱う現場だからこそ、仮眠によって集中力を持続させ、ミスや事故を防ぐ必要があるのです。
折山氏は、これまでに夜勤や仮眠に関する複数の実験を行ってきました。
それら過去の研究では、それぞれ実験した年が異なるものの、夜勤の間に「120分の1回の仮眠(2012年)」「90分と30分に分けた2回の仮眠(2014年)」「仮眠なし(2018年)」の3つの条件がテストされています。
参加者は、合計41名(20代女性)です。
ちなみに睡眠のサイクルは、浅い睡眠(30分)と深い睡眠(60分)の繰り返しであり、個人差はあるものの、1セット90分だと考えられています。
90分ごとの仮眠であれば、疲労回復に役立つだけでなく、スッキリと目覚められるのです。
一方、30分以内の仮眠は深い睡眠に入る前に覚醒するため、目覚めが良く作業効率を高めることができます。
そのため仮眠を2回に分割するケースでは、仮眠時間を60分と60分ではなく、90分と30分にしているのでしょう。
そして今回、折山氏は、これらの研究データを再分析することで、16時から翌9時までの夜勤における理想的な仮眠の方法を見つけようとしました。