・エルサレムの史跡で「アッバース朝」の時代の「お守り」が発掘される
・持ち主が「邪視」から身を護るために所持していたと考えられる
エルサレムにおける最も古い史跡で、1000年前のとても小さな「お守り」が発掘されました。持ち主は「カリーム」という名前の男性。お守りには「カリームは唯一神アッラーを信じています」といった「祈りの言葉」が刻まれていました。
発掘チームの一人 Yiftah Shalev氏は、「当時におけるこの類のお守りの目的は、『邪視(evil eye)』から自らを守るためであったと考えられます」と語っています。
粘土でできたそのお守りは、石膏の床の下に隠されるような形で保存されていました。糸を通すための穴がないので、宝石の中に置かれたり、何らかの容器に保存されていたとのこと。
持ち主が単になくしてしまったのか、それともお守りの効果を高めるためにわざと床下に隠したのかはわかりません。いずれにせよ、床下にあったことがこのお守りの保存状態を良くしてくれたことには違いありません。粘土は適切に保存していなければ、時間をかけて崩壊していきます。
お守りに刻まれた文字は「イスラーム黄金時代」とも呼ばれる約1000年前のアッバース朝時代のものでした。文字は消えかかっている部分もありましたが、解読の結果、メッカに通じる道に刻まれていた文字と似ていることがわかりました。
750年に成立したアッバース朝は、「イスラム帝国」とも呼ばれ、科学や文学が隆盛を極めたイスラム王朝の黄金期。1258年に、フレグ率いるモンゴル帝国に滅ぼされるまで続きました。またアッバース家は、イスラムの預言者であるムハンマドの叔父にあたるアッバース・イブン・アブドゥルムッタリブの子孫であるとされています。
いつの時代においても「お守り」は、人の悩みや不安を和げているようです。
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via: livescience / translated & text by なかしー