265年ぶりに開封された手紙
265年ぶりに開封された手紙 / Credit:The National Archives / Renaud Morieux
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七年戦争時代の届かなかった手紙が265年越しに開封される (2/3)

2023.11.12 Sunday

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妻から夫に宛てた「ラブレター」

手紙の内容として多く見られたのは、やはり妻や婚約者から戦地の夫や恋人に宛てたラブレターでした。

モリュー氏はその中から2通のラブレターを紹介しています。

1つ目はマリー・デュボス(Marie Dubosc)という女性が1758年に、フランス軍艦ガラテー号の一等中尉であった夫のルイ・シャンブレラン(Louis Chambrelan)に宛てたものです。

「私は今、あなたへの手紙を書いて夜を過ごしています。私は永遠にあなたの妻ですよ。おやすみなさい、親愛なるあなた。もう真夜中です。私も休もうと思います」

研究者はこの手紙の夫婦について特定しています。

実は、当時夫のルイはイギリス軍によって拿捕されていたのです。

マリーは夫がどこでどうしているのか知ることなく、そして2度と再会することもできませんでした。

彼女はこの手紙の翌年、夫が釈放される前にル・アーヴルで亡くなっており、夫のルイは1761年にフランスに帰還し、再婚したことがわかっています。

未開封の手紙が今ここにあるということは、ルイがこの誠実な妻の手紙を読むことはなかったのでしょう。

2つ目はアン・ル・セルフ(Anne Le Cerf)という女性が、同じくガラテー号の下士官だった夫のジャン・トプセント(Jean Topsent)に宛てたものです。

アン・ル・セルフによる手紙
アン・ル・セルフによる手紙 / Credit: University of Cambridge – Love lost and found(2023)

彼女は手紙の中に「今すぐあなたを抱きしめたい」と熱烈なメッセージを送っており、これは単なる「抱擁」だけでなく、「肉体的に愛し合うこと」も意味して書いていたようです。

末尾には「あなたの従順なる妻ナネット(Nanette)」と愛称と思われる呼び名が署名されています。

残念ながらジャンもイギリスのどこかに投獄されており、彼女の手紙も夫に届くことはありませんでした。

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