イルカの「電気センサー」はどこにある?
ギアナイルカの研究で、彼らは口先に点在する毛穴(vibrissal cryptと呼ばれる)を使って、電気を感じ取っていることが分かっています。
イルカは一般に、生まれたときはこの毛穴からヒゲ(感覚毛)が生えているのですが、数週間のうちに抜け落ち、名残として毛穴だけが残されます。
これが電気受容のセンサーとなっているのです。
そこでチームは、ドナとドリーの毛穴も電気センサーとして働いているかどうかを検証しました。
実験ではまず、ドナとドリーに水中に設置した赤い的に鼻先をつけるよう訓練します。
その上部には電極がセットしてあり、ドナとドリーが赤い的に鼻をつけてジッとしている最中に、そこから電気刺激を発生させます。
ドナとドリーは電気を感知したら5秒以内にその場から離れるよう訓練されました。
逆に何の刺激も感じなければ、少なくとも12秒は同じ場所に留まるよう指示されています。
その結果、ドナとドリーは水中で大型の魚や甲殻類から放たれるのと同じ500マイクロボルトの電場を感知できることが分かったのです。
チームはその後の数日で、電場の強度を徐々に下げていきました。
125マイクロボルトに落としても、ドナとドリーは90%の精度で電場を検出することができました。
さらに強度を落としていった結果、ドナは2.4マイクロボルト、ドリーは5.5マイクロボルトまでなら感知できることが判明しています。
研究者によると、これはカモノハシが水中で感知できる微弱な電場と同程度だという。
この結果からバンドウイルカにも高い電気受容の能力があることが支持されました。
では、彼らは何のために電気受容を活用しているのでしょうか?