イルカに電気を感知する能力はある?
自然界にはデンキウナギやシビレエイのように、強烈な電気ショックを誘発できるポケモンみたいな生物がいます。
一方で、電気タイプではないヒトや他の生物たちも体を動かすことで常に微弱な電気を発しています。
こうした他の生物が発した微弱な電気を感知できる能力を「電気受容(Electroreception)」といいます。
電気受容はこれまでに魚類や両生類の一部で報告されており、哺乳類としてはカモノハシで確認されていました。
また約90種いるイルカの中では唯一、南アメリカの沿岸域にのみ生息する「ギアナイルカ(学名:Sotalia guianensis)」に同じ能力があることが2011年に判明しています。
しかしながら、最もよく知られたイルカの一種であり、世界中の海に分布する「バンドウイルカ(学名:Tursiops truncatus)」では電気受容の能力が知られていませんでした。
それゆえ、この能力がイルカに広く普遍的に存在するものだとは、科学的にも一般的にも指摘されてこなかったのです。
そこで研究チームは今回、飼育下にある2頭のバンドウイルカ「ドナ(Donna)」と「ドリー(Dolly )」を対象に実験をすることにしました。