衝突体のエネルギー分配によりクレーター形状が変わる
研究者たちは、クレーター形成に与える影響を調べるため、異なる回転速度を持つ、グレープフルーツ大の仮想小惑星(約2000個のダニ大の球体から構成される)を粒状層に投下するシミュレーションを行いました。
この実験で、粒子の結束が弱く高速回転する小惑星は、広く浅いクレーターを形成する可能性が高いことがわかりました。
高速で回転する小惑星の場合、その運動エネルギーの一部は、小惑星を構成する小さな粒子の結合を壊すために使用されます。
つまり、小惑星の高速回転により、粒子同士を強く結びつける結合が弱まり、粒子がより簡単に分離しやすくなるというわけです。
これにより粒子は散らばりますが、それぞれの粒子が持つエネルギーは減少します。その結果、回転していない場合に比べて、粒子が地中に深く潜り込むことはなく、広い範囲に粒子を広げるのです。
これらの研究結果は、クレーターの形状が衝突する物体のエネルギーの使い方に依存することを示しています。
エネルギーがどのように分配されるかによって、クレーターがどれだけ広がり、どのくらいの深さになるかが決まるのです。
「大雑把に言えば、衝突の際に隕石が分裂し、その粒子が放射状に広がれば広がるほど、クレーターは浅くて広くなります」とフランクリン氏は説明します。
つまり、お椀型の巨大なバリンジャー・クレーターは、高速回転した、「粒子がゆるく結合した塊状の物体が衝突してできた」可能性があるということです。
研究者らは、今回の成果について「クレーター形成のメカニズムを理解するための重要な一歩」とコメントしています。
「これらの研究は、クレーター周辺で発見された物質の起源を特定し、理解するために役立つだろう」