コーヒーを1日に4杯飲む人は、大腸がんの再発リスクが32%も低い
大腸がんの再発率は30%と言われており、そのほとんどのケースで、手術をしてから5年以内に生じます。
研究チームは、コーヒーの摂取に大腸がんの発症を防ぐ効果があるのであれば、再発防止にも何らかの影響をもたらすと考えました。
そこで、オランダ人の大腸がん患者(ステージ1~3)の1719人を対象に、治療中また治療後の観察研究を行いました。
大腸がん患者たちのコーヒーの摂取と再発に着目し、その関連を分析したのです。
その結果、1日4杯以上コーヒーを飲む患者は、1日に2杯未満しか飲まない患者と比べて、6年間で病気が再発する確率が32%も低いという結果になりました。
またこの研究では、1日に3~5杯のコーヒーを飲むと、あらゆる原因の死亡率が低下することも分かりました。
それらの人は、コーヒーを2杯未満しか飲まない人と比べて、死亡率が約29%も低下していたのです。
しかし、飲み過ぎてもダメなようで、1日に6杯以上飲むと効果は下がっていきました。
そのため研究チームは、コーヒー摂取量は1日あたり3~5杯が最適で、再発リスクが最も低いのは「1日4杯」だと結論付けています。
ちなみにこの1杯ってどのくらいの量なのか? というのは気になる点ですが、これはアンケート調査の結果を利用しているため、具体的な量は明らかではありません。ただマグカップで飲んでいると答えた人は1.5杯とカウントされています。
チームは、コーヒーが大腸がんの発症リスクを低下させるのと同じメカニズムで、再発リスクもまた低下するのではないか、と推測しています。
とはいえ今回の研究だけでは、コーヒーが直接大腸がんの再発リスクを低下させているのか、それともオランダのコーヒー愛飲者に共通する別の要因がそうさせているのか、はっきりとしたことは分かりません。
これまでの研究を含めて考えると、「コーヒーの摂取は大腸がんの発症と再発のリスクを低下させるかもしれない」とだけ言えるでしょう。
さらなる研究が必要ですが、食後や休憩時にコーヒーが欠かせない「コーヒー好き」にとっては、少しうれしい情報かもしれませんね。