お菓子のサイズが小さいと食べる量を減らせる
研究チームは今回、ドイツ発祥のお菓子として有名な「プレッツェル」を使って摂食実験を行いました。
プレッツェルはリボン状に結ばれたような形が特徴的なお菓子で、日本でも食べられます。
実験にはアメリカ在住の一般成人75名(女性56名・男性19名・平均年齢41歳)が参加し、好きな分だけプレッツェルを食べてもらうタスクを3回行いました。
1回で用意するのは70グラムのプレッツェル(※ 通常サイズのポテトチップス1袋が約60グラム)ですが、参加者には1個分が「小サイズ・中サイズ・大サイズ」のいずれかを割り当てました。
下の画像は実際実験で参加者に提供されたプレッツェルです。このようにはっきりお菓子1個のサイズが異なっています。
各セッションはビデオで記録され、参加者がプレッツェルを食べた量や食べた時間、食べるスピードや噛む回数、一口の大きななどを調べています。
データ分析の結果、プレッツェル1個分のサイズは参加者の摂食行動に大きく影響することがわかりました。
最終的に食べた量の平均を見ると、小サイズで約12.9グラム、中サイズで約13.8グラム、大サイズで約16.9グラムと、1個分のプレッツェルが大きくなるほど食べる量も増えていたのです。
特に大サイズは中サイズに比べて22%、小サイズに比べて31%も食べる量が多くなっていました。
ビデオ映像を観察してみると、大サイズのプレッツェルを食べた参加者は1口分が大きくなり、他のサイズに比べて食べるスピードが速くなっていたため、最終的な摂食量も増えたと考えられます。
反対に、1個分のプレッツェルが小さくなるほど、全体的な食べるスピードが遅くなり、摂食量も減っていました。
この結果について研究主任のジョン・ヘイズ(John Hayes)氏は、お菓子1個分のサイズを変えることで、間食の取り過ぎを適切に調節することが可能になると話します。
「私たちの研究では、お菓子のサイズを変えることで、摂食行動や摂食量を調節できることが示唆されました」
またサイズの他に形や食感など、食品の素材特性をうまく活用すれば、間食を取ることの楽しみに影響することなく、摂食量を減らすことができるかもしれないと考えています。
ところが一方で、サイズの大小に関わらず、塩分の摂取量には変化がありませんでした。
食べた量が変化したと言っているのに、これはなぜなのでしょうか?