天の川銀河で最も大きな「恒星ブラックホール」を発見!地球から2番目に近いブラックホール
天の川銀河で最も大きな「恒星ブラックホール」を発見!地球から2番目に近いブラックホール / Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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天の川銀河最大の「恒星ブラックホール」が意外と地球の近くにあった! (2/3)

2024.04.21 Sunday

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ガイアBH3は休眠状態にある「眠れる巨人」だった!

ガイアの観測データから恒星ブラックホールを見つけるとき、研究者たちは星の公転軌道のゆらぎに注目します。

星の動きというのは、近くに別の重い星やブラックホールがあったりすると、その重力の影響で公転軌道にゆらぎが生じるのです。

それをヒントに、恒星の中心部にあるブラックホールを見つけることができます。

ただブラックホール自体は光を放たないので、直接観測することはできません。

しかし恒星ブラックホールの多くは近くを公転する星から物質を吸い上げています。

それらの物質は猛スピードでブラックホールの中に落下しながら摩擦を起こし、非常に高温になってX線を放出するのです。

こうした恒星ブラックホールと伴星のペアをX線連星(X-ray binary)」と呼び、研究者はそのX線の光を頼りにブラックホールを検出します。

公転する星の軌道のゆらぎをヒントに、中心部にある恒星ブラックホールを見つける
公転する星の軌道のゆらぎをヒントに、中心部にある恒星ブラックホールを見つける / Credit: ESO – Record-breaking stellar black hole found nearby(youtube, 2024)

ところがガイアBH3では、その周囲を公転する伴星のゆらぎは検出できたものの、X線はまったく見えませんでした。

というのも、伴星がガイアBH3からかなり離れた場所を公転していたため、物質を吸い込むことができない距離にあり、X線が放出されていなかったのです。

公転軌道がブラックホールに近づけば、またX線の放出が再開されると思われますが、研究者たちは、この休眠状態にあるガイアBH3を指して「眠れる巨人(sleeping giant)」と評しました。

どうやら、この暗さのせいで今日まで発見が遅れていたようです。

こちらはガイアBH1・BH2・BH3の伴星の公転軌道を時間に沿って示した動画になります。

(※ 音声はありません)

調査に参加したフランス国立科学研究センター(CNRS)のパスクワーレ・パヌッツォ(Pasquale Panuzzo)氏は、これほど巨大な恒星ブラックホールが地球の近くで見つかったことを受けて、「これは研究人生で一度あるかないかの発見です」と話しました。

次ページこんなデカい恒星ブラックホールはどうやって生まれるのか?

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