土星の環の正体
最初に望遠鏡で土星を観察したのはガリレオ・ガリレイです。
ただ、このとき観測に用いた望遠鏡はガリレオが自作したもので、性能が悪く、彼は土星の周りに見えるものが環とは判別できませんでした。
そのため彼は「土星には耳がある」と言ったそうです。これが土星の環であるこを確認したのは、後の天文学者ホイヘンスとされています。
そんな土星の環ですが、現代の望遠鏡では非常に詳細な構造が明らかになっています。
土星の環を高性能な望遠鏡で見ると、美しい縞模様が見えます。環にはレコードの溝のような筋がたくさんあり、A環からF環までの環に分かれています。その幅は約27,500kmにも及び、細かく数えると総計で6,000本に分かれています。
土星の環は、浮き輪のように見えますが、板状に固まっているわけではありません。実際には、小さな氷のかけらが連なって土星の周りを回転しています。これらの粒が太陽の光を反射することで、明るく輝いて見えます。
ではそんな塵の集まりで出来た土星の環に、レコードの溝のような隙間ができたり、妙に細い環ができるのはなぜなのでしょうか?
これは、土星の衛星の重力が環に影響を与えているためだと考えられています。
衛星の重力が環を構成する粒子を引き寄せたり、はじいたりすることで、衛星の軌道に沿ってすきまができます。
衛星同士で挟まれた部分は、両側から衛星に押さえ込まれるため、細かい環が整列した状態となります。このように環を整列させている衛星たちは「羊飼い衛星」と呼ばれています。