太陽系で最も多くの衛星を持つ惑星
土星には、2023年までに約150個の衛星が報告されています。
実は、2023年5月にカナダのブリティッシュ・コロンビア大などの国際チームが、土星の衛星を新たに62個発見し、合計で145個になったと発表しました。これにより、土星が木星を抜いて最も多くの衛星を持つ惑星となりました。
なぜ、土星にはこのようにたくさんの衛星があるのでしょうか?
その理由の一つとして、強い重力の影響が考えられます。土星は太陽系で2番目の質量を持つ惑星であり、強い重力を持つため多くの小天体を引き付けておくことができます。
実際に太陽系で質量が最も大きい木星も多くの衛星を持っていることから重力の大きさと衛星の数には関係があることがうかがえます。
土星の衛星の中では、タイタンが直径・質量ともに最大の衛星です。太陽系の衛星としては、タイタンは木星の衛星ガニメデに次いで大きな衛星であり、水星や冥王星よりも大きい天体です。
タイタンは、太陽系で唯一濃い大気がある衛星で、表面気圧は地球の1.5倍です。さらに、太陽系で地球以外に、表面に液体の湖や川がある天体でもあります。ただし、これらの液体は水ではなく、エタンやメタンで構成されています。
その他の土星の衛星は、エンケラドス以外は主に岩石や氷から形成されています。土星の惑星は氷を多く含んでいるため、総じて密度が低いと考えられています。