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人工甘味料を含むケーキ(イメージ)/ Credit : Canva
health

人工甘味料エリスリトールの摂取で血栓症リスクが増加する?

2024.09.15 Sunday

これまで、人工甘味料については発がんリスク等、その安全性が指摘されてきましたが、最新研究では、ブドウ糖を摂取する場合に比べ、エリスリトールを摂取する場合の血栓症のリスクが増加するという結果が報告されました。

血栓症は、血管の中に血のかたまり(血栓)ができ、 それによって血管が詰まってしまう病気で、 正常に血が届かなくなった部位あるいは臓器は正常な機能が失われたり、最悪な場合は壊死などの重篤な症状を引き起こします。

血栓は、加齢や喫煙、過度のストレスやアルコール、高血圧および糖尿病等の生活習慣病により血管内が傷つきやすくなることで生じるとされています。

今回、研究対象となった人工甘味料のエリスリトールについては、摂取後24時間以内に尿中に排泄され、血糖値には影響を与えず、インスリンの分泌を促進しないという特性を有し、60を超える政府機関で安全な人工甘味料として承認されています。

最近の人工甘味料の健康への研究報告、影響評価を踏まえ、米国FDAやEU食品安全機関等において、エリスリトールの安全性や摂取制限量等の議論がなされるのでしょうか。

この結果は、私たちが砂糖の代替として人工甘味料を使う際の有益性とリスクを考える課題を提示しています。この研究結果は米国ラーナー研究所(Lerner Research Institute)等の研究者により報告されています。

本試験の詳細は、2024年8月8日付の『Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology』に掲載されています。

Zero calorie sweetener linked to blood clots and risk of heart disease, study finds https://edition.cnn.com/2024/08/08/health/erythritol-blood-clotting-wellness/index.html
Ingestion of the Non-Nutritive Sweetener Erythritol, but Not Glucose, Enhances Platelet Reactivity and Thrombosis Potential in Healthy Volunteers—Brief Report https://doi.org/10.1161/ATVBAHA.124.321019

エリスリトールとは

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人工甘味料のイメージ / Credit : Canva

エリスリトールは化学合成により作られた人工甘味料で、安全に使用可能であると日本を含む60を超える国の政府機関が承認している食品添加物です。

エリスリトールは、トウモロコシを原料に、酵素を用いて発酵させて製造され、コーヒー、紅茶および清涼飲料水の甘味料、ケーキ、マフィン、クッキー等にも広く用いられています。

エリスリトールも糖アルコール(体内で消化吸収されにくい低カロリー素材の一種)で、多くの果物や野菜に自然に含まれる炭水化物です。

人間の体内でもブドウ糖代謝の副産物としてエリスリトールが作られます。

人工的に大量に製造されたエリスリトールは、後味が残らず、血糖値を急上昇させることもなく、他の糖アルコールに比べて緩下作用(便を軟らかくする作用)も少ないとされています。

甘さはブドウ糖の約70%で、ゼロカロリーと考えられています。

エリスリトールは、見た目も味もブドウ糖に似ており、お菓子作りに使われ、アイスクリームを含む多くの製品の主要成分となっている馴染みのある甘味料です。

こうして聞くとメリットばかりの甘味料ですが、多くの人が認識している通り、食品添加物には健康上のデメリットも数多く報告されています。

エリスリトールについても、健康への悪影響がないということは考えにくいため、その影響について様々な研究が調査を行っています。

そして最新の研究において、エリスリトールが血栓症のリスクを増加させる可能性が報告されたのです。

次ページ最新研究の概要について

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