最初は条件がゆるかった徴兵令
日本で徴兵制度が始まったのは1873年です。
富国強兵を目指す明治政府は、国民皆兵を目指すために徴兵令を出しました。
しかし当初の徴兵制度では様々な除外要件があったのです。
たとえば一家の主やその後継者とされていた長男は徴兵の対象外とされていたことを利用して、名目上の分家を行って一家の主になったり、後継者のいない家に養子縁組を行ったりして、徴兵から逃れることができました。
また当時の北海道では徴兵制の施行が本土よりも遅かったこともあり、北海道に本籍地を移すことによって徴兵から逃れる人も数多くいたのです。
さらにこのころの徴兵制度では対象者全員が徴兵されているわけはなく、その中から抽選で選ばれた人のみが徴兵されていました。
そのため当時の徴兵制度は国民の間で不公平感が非常に高く、徴兵を回避するための対策も色々あったため逃れる人が多かったのです。
そのことは政府も問題視しており、1889年の徴兵令改正で除外要件は大きく減ったのです。