ペットとの暮らしが健康に与える影響とは?
ペットと暮らすことで、身体的、心理的、そして社会的な健康に良い影響を与えることは、これまで多くの研究で確認されています。
特に、犬や猫との暮らしが健康に与える影響については、その効果が広く認められています。(Gee et al., 2019)
犬を飼うことで、散歩や外遊びといった日常的な運動が増え、自然と身体を動かすことが習慣化します。
その結果、心血管疾患の発症リスクが低下し、寿命が延びる傾向があると報告されています。(Kramer et al., 2019)
また、犬とのふれあいや散歩を通じた社会的な交流は、孤独感を和らげ、精神的な健康に寄与するとも考えられています。
猫との暮らしも、健康に大きな影響を与えることがわかっています。
猫との触れ合いは、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、リラックス効果をもたらします。(Pendry et al., 2019)
一方、鳥や魚といった他のペットも、精神的な癒しやストレス軽減効果が報告されています。
例えば、魚を眺めることで、血圧や心拍数を安定させ、リラックス状態をもたらすこと。(Cracknell et al., 2015)
鳥のさえずりを聴くと、心の落ち着きや幸福感が増すことがわかっています。(Hammoud et al., 2022)
しかし、犬や猫に比べ、魚や鳥といったペットについては、健康への具体的な影響を調べた研究がまだ十分に行われていないのが現状です。
そこで、研究チームは、オーストラリアの全国的なデータを使い、犬や猫に限らず、鳥や魚など他のペットも含め、ペットとの暮らしが死亡リスクにどのような影響を与えるか調査しました。