ストレッチは多用な効果が得られる
ストレッチは多用な効果が得られる / Credit: Canva
health

「ただ何となくやっても意味がない」最新研究が解き明かすストレッチの健康効果 (2/2)

2024.11.11 Monday

前ページ柔軟性と死亡リスクとの関係

<

1

2

>

せっかちな人には効果がないストレッチ

2024年4月、『Sports Medicine-Open』という学術雑誌に興味深いメタ分析が発表されました。

その結果とは、それまでに発表された42の研究を集めて分析したところ、継続的にストレッチをすることで、筋力向上や筋肉が大きくなる効果が得られるというものです。

もちろん、その効果は筋トレの方が大きいと考えられるものの、ストレッチをするだけでも、筋肉に負荷がかかり、筋肉を構成する筋タンパク質の合成が促進されることも分かっています。

この筋タンパク質の合成は、筋肉の成長には不可欠なものです。

そんなストレッチですが、柔軟性を高めたり筋肉を成長させたりするためのコツは、継続的に実施することに加え、時間をかけることが鍵になります。

何となく1つの部位を10~15秒伸ばしたらOKと思いがちですが、ストレッチを継続することで柔軟性が高まったとする研究の多くは、1回で短くても30秒、長いものでは30分、1つの部位に対してストレッチをしています。

また、先ほど説明したストレッチによる筋力向上や筋肥大効果を明らかにしたメタ分析でも、効果を得るには、その部位に対して15分以上、週5回以上、6週間以上にわたりストレッチを実施するという、比較的高い努力が必要になると考察されています。

したがって、ただ何となくストレッチをするだけでは、柔軟性や筋力の向上、筋肥大といった効果を得るには不十分であり、時間と期間が不可欠であると言えます。

ストレッチは、筋トレや有酸素運動に比べるとカロリー消費が期待しにくいものの、逆の見方をすれば汗をかきにくいという特徴があります。

実際、ストレッチ愛好家の多くは、お風呂上がりや寝る直前に実施しているケースが多いのではないでしょうか。

リラックスタイムにストレッチをする際はしっかり時間をかけよう
リラックスタイムにストレッチをする際はしっかり時間をかけよう / Credit: 写真AC

もちろん、気持ちが安らぎ、リフレッシュできるといった効果を目的にしているのであれば、時間に拘らず、自分が満足できるレベルで行えば良いでしょう。

しかし、柔軟性や筋力を高める、筋肥大といった効果を得たい方は、時間と継続力が鍵です。

ということで、リラックスタイムにじっくりと時間をかけて行うことで、その効果を最大限に引き出してみてはいかがでしょうか。

<

1

2

>

コメントを書く

※コメントは管理者の確認後に表示されます。

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

健康のニュースhealth news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!