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Credit:Canva . 川勝康弘
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【ノーベル医学賞2024】マイクロRNAを小学生にもわかるように解説 (3/3)

2024.10.09 Wednesday

前ページマイクロRNAは遺伝子活性度の制御を担う指揮者

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マイクロRNAと病気の関係

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マイクロRANが細胞増殖を促進するタンパク質の生産を防げないとがんになってしまいます/Credit:Canva . 川勝康弘

マイクロRNAは免疫機能、怪我の修復、受精卵からの成長、さらに脳機能においても重要な役割を果たしていることが知られています。

近年になって行われた研究では、そんな大事なマイクロRNAが上手く働かなくなってしまった場合には、自己免疫疾患や糖尿病、さらにはがんなど多様な病気が関連することが報告されています。

たとえば、がんの場合には興味深い調節機構が報告されています。

私たちの細胞には、細胞分裂を促す仕組みと細胞分裂を停止させる仕組みが存在しています。

生命が活動を続けるには古くなった細胞やウイルス感染を起こした細胞を排除するとともに代わりとなる新しい細胞を用意する必要があります。

この細胞分裂の速度もまたマイクロRNAによって制御されています。

マイクロRNAが細胞分裂を促す遺伝子を抑制すれば細胞分裂が減り、細胞分裂を抑制する遺伝子を抑制すれば、細胞分裂が増えていきます。

しかし、細胞のDNAの変異が起こると、DNA(設計図)を元に生産されるRNA(設計図の写し)も変異してしまい、マイクロRNAが上手く結合できなくなってしまうことがあります。

あるいはマイクロRNAの設計図を収めた部分に変異が起こってもRNAに結合できなくなってしまいます。

がん細胞ではこのDNA変異が細胞分裂に関する遺伝子やマイクロRNAの遺伝子に起きており、細胞分裂が止まらなくなってしまうことがあります。

その結果、がん細胞はとめどなく増殖と転移を続け、生命活動を圧迫し、最終的には死に至ります。

このようにマイクロRNAは病気とも深く関連しており、マイクロRNAを人工的に合成して患者の体に注入する薬として利用する試みも進められています。

そんな重要なマイクロRNAを発見した業績にはノーベル賞こそが相応しいと言えるでしょう。

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