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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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数時間でシシャモ1000万匹がタラ250万匹の群れに食われる「史上最大の捕食イベント」を確認

2024.11.14 Thursday

わずか数時間のうちに1000万匹以上のシシャモが姿を消す…

そんな神隠しのような出来事がノルウェー沖で確認されました。

米マサチューセッツ工科大学(MIT)とノルウェー海洋研究所(IMR)の研究によると、これはシシャモの大群が約250万匹のタラに遭遇したときに起こったもので、研究者は「これまでに記録された史上最大規模の捕食イベントだ」と評しています。

しかしそんな短時間で大量のシシャモが食べられるとすると、種の存続に支障はないのでしょうか?

研究の詳細は2024年10月29日付で科学雑誌『Communications Biology』に掲載されています。

Oceanographers record the largest predation event ever observed in the ocean https://news.mit.edu/2024/oceanographers-record-largest-predation-event-ever-observed-1029 World’s Largest Predation Event Ever Recorded Captured in Norway https://www.sciencealert.com/worlds-largest-predation-event-ever-recorded-captured-in-norway
Rapid predator-prey balance shift follows critical-population-density transmission between cod (Gadus morhua) and capelin (Mallotus villosus) https://doi.org/10.1038/s42003-024-06952-6

シシャモは全長数十キロにおよぶ大群を作る!

今回、大量消失が確認されたのはノルウェー沖に分布する「カラフトシシャモ(学名:Mallotus villosus)」です(以下、シシャモと表記)。

同海域に生息するシシャモたちは毎年2月になると、産卵をするために北極圏からノルウェー沖まで大移動しています。

その数はなんと数十億匹単位(!)というから驚きです。

シシャモたちは大群を形成し、巨大でまとまりのある集団として移動します。

その大群の全長は数十キロにも及ぶことがあり、スイミーも顔負けの長さです。

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カラフトシシャモはスイミー顔負けの大集団を形成する / Credit: canva

その一方で、シシャモの大移動にはリスクが伴います。

ノルウェー沖はシシャモの主要な捕食者である「タイセイヨウダラ(学名:Gadus morhua)」の拠点でもあるからです。

タイセイヨウダラ(以下、タラと表記)もシシャモには遠く及びませんが、数百万単位の群れを形成し、シシャモを捕食しています。

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タラはどれだけシシャモを捕食しているのか?/ Credit: Christine Daniloff, MIT

しかし研究者たちはこれまで、シシャモの大群とタラの群れがぶつかったときに、どれほどの規模の捕食イベントが発生しているのかを詳しく測定したことがありませんでした。

そこでMITを中心とする研究チームは音響システムを駆使して、シシャモとタラの間でどのような相互作用が起こっているかを調べてみることにしました。

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