あなたの身近にもいる?「ジキルとハイド型」の上司とは
皆さんはこれまでのバイト経験や現在の会社勤めをする中で、攻撃的で意地の悪い上司やリーダーに出くわしたことがあるでしょう。
いつも高圧的な態度で接してきたり、理不尽な要求をしてきたり、短気ですぐ怒鳴りつけるなど、上司に対して悶々とした日々を過ごすことがあるかもしれません。
過去の研究では、攻撃的で横暴なリーダーシップは部下や従業員のメンタルに深刻な打撃を与えて、生産性を落とすことが十分に示されています。
その一方で、皆さんの上司の中には、高圧的で横暴な一面もあるが急に優しく柔和になるタイプもいるのではないでしょうか?
このように善と悪の間を行ったり来たりするリーダーシップを指して、研究者らは「ジキルとハイド型」と喩えています。
ジキルとハイドとはご存知のように、英国の小説家ロバート・ルイス・スティーヴンソンによる古典小説『ジキル博士とハイド氏』(1886)にちなむ言葉です。
劇中では、人格も学識もともに優れている紳士のジキル博士が、自ら発見した薬を飲むことで、残忍で醜悪な小男ハイド氏に変身するという物語。
この小説は一人の人間のうちに潜む善と悪の二面性をテーマにしており、世間的には解離性同一性障害(※)の代名詞として「ジキルとハイド」の例えがよく使われています。
(※ 解離性同一性障害:自分の中にまったく別の人格を持つ精神疾患の一つで、本人にとって耐えられない状況を他人の出来事のように切り離したりします。かつては多重人格障害とも呼ばれていました)
今回の研究で言及されている善と悪を行き来する上司とは、解離性同一性障害を指すわけではありません。
上司自身が「部下に厳しくしすぎたから今日は甘めに行こう」というように意識的に2つの面を行ったり来たりする場合、あるいは本人には自覚がないものの、厳しい一面と甘い一面を無意識に行ったり来たりしてしまう場合をメインとしています。
しかし、ジキルとハイド型の上司が従業員にどんな影響を与えるかは明らかにされていません。
そこでチームは会社の上司が二面性を行き来する上司だと、従業員はどうなるのかを調べてみました。