エリマキトカゲが二足歩行する理由
The frilled-necked lizard derives its common name from the large frill around its neck, which usually stays folded against the lizard’s body.
It assumes an upright posture while running, which offers a wider range of vision, even if it doesn’t seem so.pic.twitter.com/mWveHClsXJ
— Massimo (@Rainmaker1973) December 24, 2023
エリマキトカゲは後ろ足が前足よりも長くなっており、これが二足歩行を可能にしています。
とはいえ、骨盤と大腿骨の構造上、大腿骨を脊椎に対して垂直に立てることができず、人間のような直立二足歩行にはなりません。
それゆえエリマキトカゲは、2本足では前傾姿勢で走ることがほとんどです。
それでもバランスを保つため、できるだけ頭を後ろに傾けたり、尾をいくらか持ち上げたりします。
では、なぜエリマキトカゲはあえて二足歩行するのでしょうか。
以前、科学者たちは、「トカゲは二足歩行の方が速く、効率的だ」と考えていました。
しかし、イギリスのケンブリッジ大学(University of Cambridge)の2008年の研究では、その考えが否定されました。

この研究では、オーストラリアに生息する16種類のトカゲを、ランニングマシン上で走らせる実験を行っており、その結果、二足歩行のランナーは、最高速度もスタミナも、四足歩行のランナーを上回ることが無いと分かったのです。
一方で、二足歩行は「加速」と関係していると分かりました。
多くの種で、二足歩行の方が四足歩行よりも、加速しやすかったのです。
研究チームは、「トカゲが加速を追求すると、重心が後方に移動し、自然に前足が地面から離れる」と考えています。
ちょうどバイクがウィリーするかのように、「加速」を求めた結果、前足が浮いてしまうというわけです。
そしてエリマキトカゲのような一部の種は、「その加速に伴う変化を受け入れ、二足歩行を定着させた」可能性があります。
確かに、「加速を追求した結果、二足歩行になる」という考えは、エリマキトカゲが捕食や逃走の際に二足歩行することと合致しているように思えます。
彼らは生きるのに必死であり、それゆえ「加速」を求めているのです。
ちなみに二足歩行するトカゲとして有名なのは、エリマキトカゲだけではありません。
水の上を走る「あのトカゲ」も有名です。