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「人肉の忌避感が薄かった」古代中国の人肉食文化に迫る (3/3)

2025.01.19 14:00:25 Sunday

前ページ乱世には人肉愛好家も現れた

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最上級の親孝行とされた割股

韓愈、詩人としても知られている
韓愈、詩人としても知られている / credit:Wikimedia Commons

余談ですが唐宋の時代、人々の心を掻き立てた奇妙な儀式がありました。

その名も“割股(かっこ)”

これは病気に苦しむ親や舅姑のため、自らの股肉を切り取って提供するという、現代人には理解しがたい孝行の極致です。

儒教の論理では、父母から授かった肉体を傷つけることは禁忌。

しかし、孝を尽くすためならば、その禁忌すらも踏み越えてよいという理屈が、この儀式を支えていたのです。

この“孝”の実践は唐代以降、社会の奨励と官憲の顕彰を受けて広まりました

例えば『新唐書』には、明州のある医者が『本草拾遺』に人肉が病に効くと記したことが契機となり、多くの孝子が自らの股肉を切り取って供したとあります。

一方、割股がさらに時代を超えて活発化する背景には、国家の政策的な思惑もありました。

しかし、割股に対する批判も少なくありませんでした。

唐代の韓愈(かんゆ)は、割股が命を危険にさらす行為であり、万が一命を落とせばそれこそ不孝であると論じました。

それだけでなく、税役を逃れるために割股を行う者もいたと言います。

このように、割股は美徳としての“孝”と実利を目的とする行為の狭間で揺れ動いていました

仏教の影響も割股の背景には見逃せません。

仏典には、人肉を薬として用いる例や捨身行の思想が記されており、これが割股の思想的起源となった可能性があります

しかし、唐代の早期には割股を実践する者は稀であり、それを敢えて行った人物は後世の模範とされました。

やがて南宋に至ると、士大夫たちの間で割股に対する意識が肯定的に転じ、道学派を中心に民衆教化の手段として“孝”の概念が利用されるようになりました。

これにより、割股は単なる個人的な孝行の枠を超え、社会的な制度として根付いていったのです。

唐宋時代の割股は、親への孝行という名目で語られながら、実際には社会や政治、宗教の影響を受けた複雑な文化的現象でした。

その血生臭い物語は、現代の我々に、人間の信念が持つ力と恐ろしさを静かに問いかけているようです。

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「人肉の忌避感が薄かった」古代中国の人肉食文化に迫る (3/3)のコメント

ゲスト

儒教の毒についての本もおすすめです。

儒教の本質と呪縛―社会をゆがめる根源
儒禍―中国二千年の呪縛
黄文雄 (著)

儒教 怨念と復讐の宗教
浅野裕一 (著)

なぜ論語は「善」なのに、儒教は「悪」なのか 日本と中韓「道徳格差」の核心
石 平 (著)

ゲスト

両脚羊
魯迅が嘆き孔子も食べてた人肉食

ゆうゆう

野蛮な行為だわ

ゲスト

輸血や臓器移植に変換してみれば、私たち現代人にも当時の人々の心情が(少しだけ)理解出来るかも。
数百年後には技術も進んでいて、輸血も野蛮極まりない行為とされているかも知れませんね。
『モラル』という人類が産み出した概念は、とかく移ろいやすいナマモノですから。

丈夫

中国の人肉食事は単に野蛮なだけだ
未開無知残酷な社会の象徴だ
格好屁理屈付けなくてもよい

丈夫

中国の人肉食事は単に野蛮なだけだ
未開無知残酷な社会の象徴だ
格好屁理屈付けなくてもよい
戦争で食べるものが無くなり
一村襲い村人全員皆殺しにして食べ
村1つ亡くなった此が現実の中国だ

あらあ

ゲスト

普通に市場で檻に入った人が食べるために売られていたそうですから
自分がそっち側になるかもって想像しなかったんだとうか?

ゲスト

日本やゲルマンに古代からある人柱の延長バリエーションでしかないなら特別な思想や価値観など要らないだろう、説明であれ正当化であれ

ゲスト

若い時読んだ本のジョーク話。
食糧の尽きた難破船に乗った乗組員達が最終手段で自分自身のチ〇コを切り取って食べようとしたとき、その中の1人が
「待て、みんな!どうせ食べるなら大きくしてから食べようぜ!」
という話があった。

こいこい

わかりかねる

肉ネーム

何の肉であれ、飢え死にしかけた時に食う肉に勝るものなしということか。
楽に往生したいものですね

飢餓

ガ島の人肉食は戦争の犠牲
雪山遭難でも人肉食があった
フランスの猟奇殺人で人肉を冷蔵庫で保管しながら食べていた犯人(日本人)もいた
人肉は国を問わず散見する
中国だけではない

    それ

    戦争時も雪山も佐川くんも人肉食は犯罪の範疇だった。善行とみなされていたのが中国。その違いは大きい。

ゲスト

日本でも胎盤を食べる地域があるのも気持ち悪い

トキ

悪いけど全く古代の倫理観という問題だけで片付けられる話ではないわ。
秀吉の小田原城水攻めや、ガ島、ホロドモール、アルゼンチン?の航空機事故など歴史的に人肉食が極限の状態で行われたのは事実だけど、それが美談として語られたり積極的に賞味(調理方法まで確立してた)のは世界でも一部の原始的な部族を除けば貴方がたぐらいではないでしょうか。
今の中国人に対し嫌悪感を激しく持っている訳ではありませんが(少なくとも自分は)、なかなか相容れない感情を持ってしまいますよね。この手の話は

ふざけるな

こういう記事自体がタブーですよね。実際に本当だったか分からない話しや、未開時代の漢方的な昔の風習とかの話しを持ってきて、人肉の習慣があるだと書いたり、そもそも中国という千にも及ぶ民族と広大な土地の一部をかいつまんで語るのが悪質。一部では非常に残酷な遊牧民に晒されたりと、日本人には分からない感覚も有るだろうに、こんな記事を書くほうが野蛮なら、乗じて中国叩きするネトウヨも自身のほうが野蛮。この記事、人種差別としか思えません。

時の旅人

学生の頃今から40年くらい前に何かの雑誌か本かで読んだ記憶があります。昭和初期まで街頭処刑がされた後に縛られた罪人が観衆に肉を削がれて持ち帰られていく激痛を伴う処刑ですよね、根拠や人権なんて言う人は何故それを普通に受け入れられないのでしょうか?疑問です偏見と言われればそうですがそれも文化の一部ではないでしょうか?そもそも中華料理などもゲテモノ喰いが多々ありますもんね、未だに犬なと裏市場で売買さらている国家ですよ。
ここからは私の偏見ですが人喰いはDNAに刻まれると思っています
人喰い熊も子孫が人喰い熊に変異すると言う仮説がでてますもんね、だから中国人は平気に残忍な殺人と残忍な死体処理を行うんだと思おます。

通りすがり

水滸伝にも峠の追い剥ぎが被害者の肉をまんじゅうにして食べていた。と言う記述がありました。
日清戦争後日本が台湾を併合した際、先住民族の高砂族は戦った敵の英雄の肉を喰らいその胆力を自分の実にしていたと聞いている。
この考え方は世界中にあったらしい。

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