第4章:まとめ「発見されたのは因果の保護機構かもしれない」

ここまでの議論を総合すると「CTC が実在し、タイムトラベルが行われたとしても、SF的な過去改変は起こりにくい」という結論に至ります。
むしろ、量子力学・熱力学・相対論が組み合わさることで、「ループを一周するまでにエントロピーや記憶が元に戻る → 結果的にパラドックスが表面化しない→リセット」という形に落ち着きます。
したがって、もし未来に技術が進んで本当にCTCを用いた時間旅行が実現した場合でも、その旅行者は自分が「過去へ行った」というドラマティックな物語を、人に語ることはできないかもしれません。
なぜなら、物語を語る前に、すべての記録や記憶がリセットされる運命にあるからです。
このように、理論上のタイムトラベル像は、エンターテインメントとはまるで違う、 “こぢんまりした世界”で完結してしまうのかもしれません。
SF的なイメージとは違い、「CTC を使ったタイムトラベル=自由に過去改変ができる」という単純な図式は、量子力学や熱力学の枠組みのなかではむしろ否定されるという結論に近づきます。
なぜなら、エネルギー準位の離散化やエントロピーの再帰的減少といった特性が、「過去の書き換え」を実質的に封じ込める仕組みを提供するからです。
こうした見方には、一見すると「せっかくのタイムトラベルが台無しではないか」という物足りなさもあるかもしれません。
しかし、よく考えてみると今回の発見は私たちの時間意識を守る保護機構の発見とも言えるでしょう。
「世界を大きく動かすことができない」という息苦しさを感じさせますが、同時に「宇宙の因果律は守られている」ことの証明でもあります。
閉じた時間的曲面を研究するメリット
CTC(閉じた時間的曲線)がもたらすインパクトは、祖父殺しパラドックスの解消にとどまりません。
現代物理学においては、CTC を通じて「因果律」「時間の矢」「量子重力」などの最も根源的なテーマを問い直す動きが進められています。
ここでは、理論面と観測面の両側から、いま研究者たちが何を探り、どこを目指しているのかを俯瞰してみましょう。
一方では「空間と時間の構造(重力)」を扱う一般相対性理論、他方では「ミクロな粒子レベルの挙動」を扱う量子論——この二大理論の統合は、現代物理学最大の未解決問題のひとつとして知られています。
時間そのものを幾何学とみなす相対論的アプローチと、確率的・不確定性に満ちた量子力学がどのように組み合わさるのかは、まだ理論的な枠組みが完成していないのです。
CTC はまさに、 “相対性理論 × 量子力学のせめぎ合い”が最も顕著に表れそうな舞台といえます。
さらに、近年はホログラフィー原理(ホログラフィック原理)と呼ばれる新しい視点から、ブラックホールや高次元時空の物理を探る研究が盛り上がっています。
ホログラフィー原理によれば、「高次元の重力理論」と「低次元の量子場理論」が等価であるとされ、ブラックホール内部の情報やエントロピー問題など、従来のアプローチでは理解しづらかったトピックに新たな光を当てています。
CTC の場合も、もし高次元空間や境界理論との対応づけを考えることで、時空のループが生じるメカニズムや、それを打ち消す機構がどのように実装されるのか、理論的に検証できる可能性があります。
たとえば、ホログラフィー原理においては「ブラックホール情報パラドックス」などの解決に向けて活発な議論が行われていますが、同様にCTC における自己無矛盾性も高次元時空の視点から検証できるかもしれません。
もし本当に時間旅行が実現するような技術が開発される日が来るかどうかは、まだわかりません。
しかし、その可能性を通じて、私たちは「なぜここに、こうして存在しているのか?」という問いを、別の角度から自問できるのです。
未来の物理学が“時間”と“因果律”をどこまで解き明かし、私たちの世界観をどう塗り替え、私たちの“時間”や“因果”に対する認識を変えていくのか──それは、ある意味で人類最大のロマンであり、同時に理論の深みを示すリアルな課題でもあります。
まずはタイムスリップを成功させてから話もらおうかw
つまり時間線を繋いだりずらしたりする能力があれば過去改変ができる?
マンデラエフェクト
CTCに限定されず、極低確率の逆過程が、連続して発生し続ける、情報熱力学第二法則に逆らってKLDを生成し続ける、そのような、【何らかの情報量ソース】が、(物理時空に限らず)情報幾何空間中に存在するのであれば、マルチバース宇宙論のように、極低確率でも既に物理定数の絶妙な調整が起こっとるやないかい、という論法で、何でも起き得る、という。
こういうマクロな規模のタイムトラベルは無理かもしれないが、例えば特殊な量子コンピュータが想定外のノイズを吐くと思ったら未来からインプットを得ていたみたいな事件(?)はそのうち起こりそう
あと少々オカルト気味だが、例えば脳細胞(シナプス)が量子力学的な性質を持っていると仮定……仮定して、時間軸方向(未来←→過去)にも微弱な電気信号を伝達しているとしたら面白そうに思う
数分後の未来に見聞きするはずの情報を、脳は理解できずとも漫然と感じ取っていた!
しかし数パターン起こり得る未来を同時に見てしまっているので、推測と混同してしまっていた…とか
何か確率がゼロでなければ急に現れる可能性もあるってところに
昔に自分が考えたサンドマンの話しを思い出したぜ
砂漠ではずっと砂塵が何千何万どころか数えきれない回数を舞っているはず
ならばその砂塵が偶然にも生物のような形状になることはないのか
もちろんそこで砂塵により生じたサンドマンは砂の体が崩れて一瞬にして死を迎える
しかし時間の流れ方はそれぞれ異なると思えばサンドマンはその一瞬を生き
その一瞬を我々とは違う感覚で長い時間として脈動して周囲を見て感じて生涯を終える
可能性だけで言えば一瞬だけの命であるサンドマンが過去に誕生した可能性はある
が、そんなことは本当にあり得るのだろうか
すごく面白い話ですね
すばらしい洞察力と想像力をお持ちでいらっしゃる
ワームホールでは、過去と現在と未来は同時に存在する
だから過去を変えれば、現在も未来も同時に変化する
過去を変えた時点で現在も未来も変わるので
変化されたかは、永遠に確認はできない
これは、量子もつれと同じ原理と思われる
それなら物質やエネルギーは情報の見え方の一つであって、
すべての現象は情報の変化のしかた1側面にすぎないのでは。
情報の変化につじつまのあうような変化を物質やエネルギーがしていると。
やはりこの世はシミュレーション仮説のような情報世界か?
ならば情報の変化に手を加えられれば、時間も空間も物質もエネルギーも自由に操作できるが、
それはこの次元の存在がなしえることなのだろうか。
私たちが描いたキャラクターが勝手に私たちの世界にとびだしてくるようなことはあり得るだろうか。
やはりファンタゴールデンアップルは存在した
ΩΩΩ<