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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
paleontology

SF世界の巨大キノコは実在した!デボン紀の地球にいた「高さ8mの菌類」

2025.01.28 12:00:08 Tuesday

『スター・ウォーズ』に登場する惑星フェルーシアなど、SFではよく巨大キノコが地上を覆う幻想的な世界が描かれます。

ただそれは単なる絵空事ではありません。

地球にはかつて高さ8メートルにも達する菌類が確かに実在したと考えられるからです。

この菌類は約4億年前のデボン紀に繁栄した「プロトタキシーテス」という名前で知られます。

では、地球が誇った史上最大のSF的巨大キノコの真相に迫ってみましょう。

Fungus? Fungus. https://magazine.uchicago.edu/1006/investigations/fungus.shtml Giant Fungus Fed on Aquatic Microbes, Not Plants, Research Shows https://www.unh.edu/unhtoday/news/release/2010/03/25/giant-fungus-fed-aquatic-microbes-not-plants-research-shows-1 Giant, Mysterious Spires Ruled the Earth Long Before Trees Did. What Exactly Are These Odd-Looking Fossils? https://www.smithsonianmag.com/smart-news/giant-mysterious-spires-ruled-the-earth-long-before-trees-did-what-exactly-are-these-odd-looking-fossils-13709647/

研究者も困惑。100年以上も正体不明の状態がつづく

プロトタキシーテスの化石が初めて発見されたのは1843年のことですが、本格的な調査がスタートするのはそれから10年以上後のことです。

カナダ地質学ジョン・ウィリアム・ドーソン(1820〜1899)が、カナダ北東部にある約4億2000万年前のデボン紀の地層から回収された巨大な樹木のような化石を分析します。

ドーソンはその形状やサイズから「イチイ科(Taxaceae)の木にめちゃくちゃ似ている」と考え、これを「最初のイチイ」を意味する「プロトタキシーテス(Prototaxites)」と名付けました。

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Credit: ja.wikipedia, en.wikipedia

この画像はドーソンが描いたプロトタキシーテスの復元画ですが、もろに木の形をしていますね。

しかし彼がプロトタキシーテスを木と思ったのも無理はありません。

というのもプロトタキシーテスの化石は最大8.8メートルもの高さに達し、直径も1メートルに及ぶような巨大なサイズだったからです。

こんなデカい化石は木以外に考えられなかったでしょう。

ところが1872年になって、イギリスの植物学者であったウィリアム・カールザース(1830〜1922)がこれに異議を唱えます。

というのもプロトタキシーテスの化石をどれだけ調べても、内外の組織が木とは全然違っていたからです。

また4億年以上前のシルル紀末〜デボン紀初めの地球では、クックソニアのような背の低い植物はいても、大木のような背の高い木はまだ登場していなかったからです。

それを踏まえて、カールザースは「わかった!プロトタキシーテスは木じゃなくて、でっけぇ海藻じゃないか?」との考えに至りました。

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ウィリアム・カールザース/ Credit: en.wikipedia

こうしてプロトタキシーテスをめぐっては「巨大な樹木説」と「巨大な海藻説」に分かれましたが、どちらも決定的な証拠がなく、それからなんと100年以上にわたって延々と議論が続けられることになります。

そんな中、2001年になってついに「プロトタキシーテスは木でも海藻でもなく、巨大な菌類じゃ!」と喝破した人物が現れます。

次ページついに「巨大な菌類」と特定!その科学的な見破り方とは

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