過去の流星衝突事故と今回の報告の意義
このような流星体は、宇宙空間を漂う微小な天体が地球の大気圏に突入することで発生する現象です。
大気圏に突入すると、大気との摩擦による加熱で発光し、これが「流れ星」として観測されます。
過去の研究によると、大気圏突入の摩擦熱によって流星体は質量の99%以上を失うことが多いとされています。そのため今回報告された流星体も、もともとは数十キログラムはあったと考えられます。
こうした流星体が地上に到達し、被害を引き起こすことは極めて稀ですが、歴史的にはいくつかの事例が報告されています。
最も有名なケースのひとつが、1954年にアメリカ・アラバマ州に落ちた「ホッジス隕石」です。
この隕石は住宅の屋根を突き破り、室内に落下したと伝えられています。
このとき室内には人がおり、ソファで昼寝をしていた女性のそばに隕石が落ちたため、彼女は破片の衝撃で負傷したといいますが、命に別状はありませんでした。
これは、流星体が人に物理的な影響を与えた極めて稀な例として記録されています。
今回のカナダでの報告は、被害を伴うものではありませんが、防犯カメラによって流星体の落下が記録された点で大きな科学的意義を持ちます。
今はどこにでもカメラがあります。今後も防犯カメラや監視カメラ、スマートフォンに科学的に貴重な映像が記録され、私たちも見ることができる機会がどんどん増えていくかもしれません。