両親の離婚で「脳卒中リスク」が高まると判明
一般的に、両親の離婚は子どもにとって大きなライフイベントです。
家庭内の雰囲気が変わるだけでなく、住む場所が変わったり、学校を転校する必要があったり、時には経済的な困難にも直面することがあります。
心理学の研究では、子ども時代のストレスが成人後の健康に影響を与えることが指摘されています。
例えば、慢性的なストレスは、神経内分泌システムに関わる「HPA軸(視床下部-下垂体-副腎系)」の機能を乱し、長期的な健康リスクを高める可能性があります。
また、虐待のような幼少期の逆境が、成人後の高血圧や心血管疾患のリスクを高めることも報告されています。
今回の研究では、特に「両親の離婚」という経験が、将来的に脳卒中のリスクとどのように関連するのかを明らかにしようとしました。
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今回の研究では、65歳以上のアメリカ人1万3205人を対象に調査が行われました。
特にここでは、幼少期に身体的・性的虐待を受けた経験のない人々を対象とすることで、虐待による影響を排除し、純粋に「両親の離婚」と「脳卒中リスク」の関係を分析しました。
幼少期に両親が離婚した人のうち、約14%が18歳までに両親の離婚を経験しています。
そして健康との相関関係を調べた結果、幼少期に両親の離婚を経験している人は、そうでない人に比べて、将来的な脳卒中の発症率が有意に高くなっていることが明らかになりました。
具体的には、他のリスク要因(糖尿病、うつ病、喫煙、運動不足、低所得など)を考慮に入れても、両親が離婚した人は脳卒中のリスクは61%高いことが示されています。
またこの研究では、男性は女性よりも脳卒中を発症する可能性が47%高いことも示されました。
しかし男女ともに脳卒中リスクは加齢に従って増加する傾向が見られています。
では、なぜ両親が離婚していると、子供の将来的な脳卒中リスクが高まるのでしょうか?