脳とクラウドの融合がもたらす可能性
① 「ナノロボット×クラウド脳」——脳がインターネットに繋がる未来
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現在、有望視されている提案の1つが「ナノロボットによる脳-クラウドインターフェース」です。
2019年に発表された研究(Frontiers in Neuroscience)では、「ニューラルナノロボット(Neural Nanorobots)」という超小型のロボットを血液中に送り込み、脳神経と直接結びつけることで、外部のクラウドネットワークとリアルタイムで情報交換を行う可能性が示されました。
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このシステムが完成すれば、人間の思考はクラウド上のスーパーコンピューターと瞬時に同期できるようになるという。たとえば、以下のような応用が考えられます。
- 記憶のバックアップと共有:自分の記憶をデジタル化し、他者と共有する。
- 知識のダウンロード:言語やスキルを脳に直接インストールする。
- テレパシー的通信:言葉を使わずに思考のみで他人と会話する。
これはまるで「攻殻機動隊」のような世界ですが、理論的には決して不可能ではないようです。
② 人間の脳細胞がコンピュータを動かす?「バイオコンピュータ」の可能性
2023年のジョンズ・ホプキンス大学の研究では、さらに驚くべき技術が報告されています。
それは、「人間の脳細胞を用いたコンピュータ」の開発です。
ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームは、培養した脳細胞(オルガノイド)を使って、従来のシリコンチップよりも効率的なデータ処理が可能になることを示しました。
これは、コンピュータが単なる電子回路ではなく、「生物的なプロセッサ」へと進化しつつあることを意味します。
この技術が進化すれば、「人間の脳をそのままデジタル化する」のではなく、「脳そのものをデジタルコンピュータとして活用する」という新たなアプローチが現実になるかもしれません。