赤色の競技服の選手は勝ちやすい
スポーツのユニフォームや競技用具の色が選手のパフォーマンスや勝敗に及ぼす影響については、心理学や行動科学の分野で長年にわたり研究されてきました。
特に注目されてきたのが「赤色の優位性効果」です。
赤はこれまで本能的に「力強さ」や「攻撃性」を連想させる色であり、対戦相手に威圧感を与える可能性があると考えられてきました。
赤の影響は歴史上でも見られ、武田信玄の赤備えや曹操の赤い甲冑など、戦場で用いられてきたことは読者の皆さんが知るところだと思います。
実際にスポーツにおいて「赤色の優位性」が存在するのかを最初に検討したのは、英ダラム大学のラッセル・ヒル(Russell Hill)氏らの研究です。
彼らはオリンピックの4つの格闘技競技(ボクシング、テコンドー、グレコローマン・レスリング、フリースタイル・レスリング)の試合結果を分析しています。
これらの競技では、選手がランダムに赤または青の競技服(またはボディ・プロテクター)を着用するよう割り当てられていました。
分析の結果、赤の競技服の選手ほど勝利しやすい傾向があり、選手の実力が拮抗しているほど、赤の競技服の選手が勝ちやすいことを確認されたのです。

なぜこのような「赤の優位性」の効果は生じるのでしょうか。
研究チームは、赤を身につけていると、テストステロン値が向上し、握力が強くなど筋力発揮や瞬発力が向上する可能性と、赤が攻撃性や優位性のシグナルとして働き、対戦相手や審判の判断に影響を与える可能性があると考察しています。
また彼らは、チームスポーツでも同様の効果が生じるのかを検証するため、ユーロ2004国際サッカートーナメントの結果を調べました。
その結果、同様に赤色のユニフォームのサッカーチームの勝率が高かったことも確認しています。
この結果を受け、研究チームは「赤の優位性効果が本当に存在するならば、公平性を保つために試合の色分けルールを再考する必要がある。」と警鐘を鳴しています。