ぼんやり思考の4タイプが明らかに
本研究にはエモリー大学の学部生やオンラインの一般参加者を含む366名が参加し、年齢層は大学生から中年層まで幅広く、性別も多様でした。
実験では「自由連想課題」を用いて、参加者の自発的な思考の流れを分析しています。
自由連想課題とは、最初に提示された単語から直感的に思い浮かんだ単語をつなげていくタスクです。
例えば「配偶者」という単語を提示し、そこから「結婚」や「子供」「幸せ」「離婚」などと連想していきます。
実験では、この自由連想を11回繰り返して、参加者の思考の流れを可視化。
さらに機械学習を用いて、参加者がどんな単語からどんな単語へと移行していったのかを分析し、自由連想のタイプを分類しました。
例えば、ある参加者は「配偶者、家族、愛、ロマンス、本」などポジティブな連想をし、ある参加者は「配偶者、不貞、離婚、裏切り、孤独」といったネガティブな連想をしています。
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そして分類の結果、自発的な思考は次の4つのタイプに分けられることがわかりました。
1:マインドワンダリング型
・思考が自由に移動し、特定のトピックにとらわれない
・創造的な発想や問題解決に役立つ可能性がある
2:保護的ポジティブ思考型
・楽しかった思い出など、ポジティブな連想や思考にとどまりやすい
・自尊心を高めたり、精神的な健康を維持するのに役立つ
3:固着型ネガティブ思考
・自分の中のネガティブな経験や記憶に囚われて、一度入るとなかなか抜け出せない
・「過去の失敗」を繰り返し思い出し、長時間そこにとどまってしまうなど、ネガティブな内容を反芻(はんすう)し続け、他の考えに切り替えにくい
・うつやストレスにつながる可能性がある
4:強迫的ネガティブ思考
・特定のネガティブなテーマに対して、反射的にすばやく反応したり強く固執してしまい、何度も繰り返し考えてしまう
・例えば「私はミスをしたのではないか?」「忘れ物をしたかも」という不安が何度も湧き上がり、ずっと確認せずにはいられない
・反復的で強迫的な思考パターンと関連する可能性がある
この研究により、「ぼんやり思考」には異なる種類が存在し、それぞれが異なる心理的影響を持つことが明らかになりました。
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この研究の発見は、私たちのメンタルヘルスにも大きく関係しています。
例えば、「固着型ネガティブ思考」に陥りやすい人は、気づかないうちに自分の思考がストレスや不安を増幅させている可能性があります。
一方で、「保護的ポジティブ思考」の割合を増やすことで、心理的な回復力(レジリエンス)を高めることができるかもしれません。
今後、こうした思考パターンを改善するためのトレーニングや、認知行動療法(CBT)と組み合わせた新しい治療法の開発も期待されます。
次にあなたが「ぼんやり」と考えごとをしているとき、それがどのタイプの思考なのかを意識してみるのも面白いかもしれません。
自分の思考パターンを知ることで、より前向きな人生を送るヒントが見つかる可能性があります。