ミックス犬とはどういう犬のことか
ひと目で心を掴む可愛さから、ミックス犬の人気が高まっています。ちょっと検索するだけで、いろいろなミックス犬をインターネットで検索できます。
ミックス犬とは品種の違う純血種の犬を交配した交雑種のことで、親の血統が既にわからなくなっている雑種と区別するためにミックス犬と呼ばれています。ハーフ犬、ハーフ・ミックス犬、デザイナーズドッグ、デザイナーズブリードと呼ばれることもあります。
「要するに雑種でしょ?」と言う人もいますが、雑種は元の親の品種がほぼわからなくなっていることに比べ、ミックス犬は2種類の純血種を交配した1代限りの交配種ということになり、雑種とは区別されています。
ミックス犬は、元は「犬アレルギーの人が介護する視覚障碍者のための盲導犬」というニーズに応えたいという発想でした。
盲導犬に優れた適性を持つラブラドール・レトリーバーと、毛が抜けにくくアレルギーを起こしにくいスタンダード・プードルを交配したのです。

単純に考えれば、アレルギーを誘発しにくい優れた盲導犬が生まれてくるはずでした。
しかし、実際はそう簡単なことではありませんでした。
3頭産まれた子犬のうち、アレルギーを起こさない毛質を持ったのは1頭だけだったのです。
その1頭が介護者に引き渡されてブリーダーの任務は終了したのですが、問題は残った2頭でした。
2頭は家庭犬として引き取り手を探すことになりました。そこでラブラドゥードルというユニークな名前で売り込まれたのですが、その目新しい種類の犬と可愛い外見で予想を超えた人気が出てしまったのです。

この時のブリーダーは「パンドラの箱を開けてしまった」と、ラブラドゥードルを作り出したことを激しく後悔しました。
「パンドラの箱を開けた」とは、異なる純血種2種類の犬を交配して、別の犬を作出したことを指しています。
ラブラドール・レトリーバーとスタンダード・プードルのいいとこ取りをしたくて交配してはみたものの、遺伝とはそうは簡単にいかないものです。
メンデルの法則でエンドウ豆の図を覚えている人も多いことでしょう。
つまり、盲導犬に向いていてアレルギーを誘発しない子犬は「安定して生まれてはこない」という事実があります。
遺伝とは、避けて通ることのできない残酷な問題だったのです。
