なぜ出産がメンタルヘルスに関係するのか?

これまでの研究では、子供を持つことが女性の精神的な幸福度にどのように影響するのかについては、意見が分かれていました。
育児は大きなストレス要因であり、特に子供が乳幼児期には睡眠不足や経済的負担が増えることから、うつ病のリスクが高まるとも考えられていました。
その一方で、子供を持つことが社会的なつながりを強め、人生の目的を与えることで、メンタルヘルスを改善する可能性があるとも指摘されていました。
しかし、これらの仮説は断片的な研究によるもので、一貫したデータに基づくものではありませんでした。
また、出産が身体的・ホルモン的に脳へ影響を与える可能性についても、近年の神経科学研究が示唆しています。
例えば、妊娠によって脳の構造が変化し、子供の世話をするための適応が促されることが報告されています。
このような背景の中、今回の研究者たちは、出産がうつ病リスクにどのような影響を与えるのか、より明確にすることを目指しました。