油の選択は健康にどれだけ影響を及ぼすのか
一般的に、脂肪は大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。
バターに多く含まれる飽和脂肪酸は、血中コレステロール値を上昇させ、動脈硬化を促進し、心血管疾患のリスクを高めるとされています。
一方、オリーブオイルやキャノーラオイル、大豆油などの植物油に含まれる不飽和脂肪酸、特に一価不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸は、血管の健康を守り、炎症を抑える効果があると知られています。

しかし、果たして日々の油の選択が、本当に寿命に影響を及ぼすのでしょうか。
この疑問を解明するため、研究チームは30年にわたる追跡調査を行いました。
研究対象者は、「看護師健康調査(Nurses’ Health Study)」および「医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-up Study)」の参加者22万1054人です。
各調査では、バターや植物油の摂取状況が4年ごとに詳細に記録されており、健康状態との関連が分析されました。
また、食事以外の生活習慣である運動、喫煙、アルコール摂取、BMIなども考慮に入れ、油の摂取がどれほど死亡リスクに影響するのかを統計的に評価しました。