お酒は本当に体に悪いの?日本人5万7000人の健康診断のデータを分析
これまでの研究では、アルコールの健康への影響についてはさまざまな見解が示されてきました。
適量の飲酒は血流を改善し、心血管疾患のリスクを低減する可能性があると報告される一方で、長期的なアルコール摂取は肝疾患やがんのリスクを高めるとも言われています。

特に、飲酒とコレステロールの関係については明確な結論がなく、飲酒がどのように脂質代謝に影響を与えるのかについては不明な点が多い状況でした。
今回の研究では、2012年から2022年までに健康診断を受けた日本人57,691人のデータを分析しました。
対象者は2回の検査の間に飲酒の習慣がどのように変化したのか分析され、彼らは「一貫して飲酒している人」「飲酒をやめた人」「新たに飲酒を始めた人」「一貫して飲酒しない人」の4つのグループに分類されました。
そして研究では、健康診断データからコレステロール値を測定し、飲酒習慣の変化がどのように血中脂質に影響を及ぼすのかを調査しました。
また、年齢や性別、BMI、運動習慣、喫煙状況などの影響を考慮し、それらを統計的に補正することで、アルコール摂取の純粋な影響を分析しました。
その結果は、お酒が好きな人にとって「ちょっと嬉しい」ものでした。