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超音波ビームを交差させて「音のプライベートスポット」を生成することに成功 / Credit: Heyonu Heo(Pennsylvania State University)_‘Audible enclaves’ could enable private listening without headphones(2025, EurekAlert)
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イヤホン不要!超音波ビームの交差で作る「音のプライベートスポット」

2025.03.19 22:00:37 Wednesday

イヤホンやヘッドホンを使うのが煩わしいと感じたことはありませんか?

「音楽を楽しみたいけど、耳を塞ぎたくない」「他人に迷惑をかけたくない」

そんな悩みを解決するかもしれない新技術が誕生しました。

ペンシルベニア州立大学(Pennsylvania State University)の研究チームが、超音波を使って音のプライベートスポットを作り出す新技術を発表しました。

この技術を応用すれば、ヘッドホンなしで特定のエリアだけに音を届けたり、公共の場でのプライベートな音声案内が可能になるかもしれません。

この研究の詳細は、2024年3月17日付の『Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)』誌に掲載されました。

‘Audible enclaves’ could enable private listening without headphones https://www.eurekalert.org/news-releases/1076892 Ultrasonic Beams Create Private Sound Pockets The technology could be used to create personalized and secure “audible enclave” https://spectrum.ieee.org/ultrasound-tech
Audible enclaves crafted by nonlinear self-bending ultrasonic beams https://doi.org/10.1073/pnas.2408975122

超音波を交差させて「音のプライベート空間」を作ることに成功

私たちは普段、スピーカーやヘッドホンを使って音を聴きます。

しかし、スピーカーを使えば周囲の人にも聞こえてしまい、ヘッドホンを使えば耳をふさぐことになります。

私たちの「音を聴く」という行為は、これまでずっとこのルールに制限されてきました。

耳をふさがずに、しかも、周囲の人には漏れることのない音楽体験を可能にすることはできるでしょうか。

今回、研究者たちは、超音波を利用して「オーディブル・エンクレーブ(audible enclaves)」と呼ばれる「音のプライベートスポット」を作ることに成功しました。

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超音波ビームを交差させて特定の人にだけ音が聞こえるスポットをつくる / Credit: Heyonu Heo(Pennsylvania State University)_‘Audible enclaves’ could enable private listening without headphones(2025, EurekAlert)

これは、目に見えない小さな音の「泡」のようであり、その中にいる人だけが音を聴くことができるというものです。

では、どのようにこれを可能にしているのでしょうか。

研究者たちは、2本の超音波ビームを放射し、それらを適切な交差点で干渉させることで、特定のエリアでのみ周波数変調が起こり、可聴範囲の音を生成しているのです。

どちらの超音波ビームも、それ自体では音を聴くことはできません。

ビームが交差して初めて可聴音が発生するので、スポット外の人には音が聴こえないのです。

またこのビームは人間の頭などの障害物を回避して、指定された交差点に到達できるため、どのような場所でも「音のプライベートスポット」を生成することが可能だと言えます。

次ページ美術館やオフィス、車内でもプライベートな音楽・音声空間が得られる

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