精子はスクリュー式に泳いでいた!
私たちはしばしば、精子を“泳ぐ存在”としてイメージします。
鞭毛と呼ばれる尾をしならせて、体液中をひらひら泳ぐ姿でよく表現されます。
しかし新たな研究では、そんな単純な姿とはまったく異なる、より複雑で魅力的な実態が明らかになりました。
チームは今回、先進的な3Dイメージング技術を用いて、精子の泳ぎとその周囲の流れ場を再構築することに。
その結果、精子はコルク抜きのような渦巻き状の流れを生み出しており、しかもそれが精子の体に付着し、完全に同調して回転していることが明らかになったのです。
この協調したスピン運動が、精子の前進運動を強化し、まっすぐな進路を維持する助けとなっていました。
こちらが実際の映像です。
研究主任のレザ・ノスラティ(Reza Nosrati)氏はこう説明します。
「まっすぐな輪ゴムをねじって螺旋状にしたところを想像してください。そこにさらにもうひとひねり加えると、超螺旋(スーパーヘリックス)と呼ばれる、より強く巻かれた構造になります。
精子にとっては、この液体の超螺旋的な”ひねり”が運動を強化し、精子に追随するように渦が収束していくことで、より効率よく泳ぐことを可能にしていたのです」
この運動の中心にあるのが、精子の鞭毛です。
ムチのようにしなりながら動くこの尾が、精子を前へと押し進めています。
鞭毛の動きによって周囲の体液に渦が生まれ、コルク抜きのようにねじれた流れが、精子の後ろや周囲に形成されていました。