世界初の「ノンストップ鼓動」心臓移植が成功する!ゼロ虚血時間を達成!
さて、実際に「ゼロ虚血時間心臓移植」を受けた患者さんについて見てみましょう。
手術を受けたのは49歳の女性で、拡張型心筋症(心臓の筋肉が薄くなり、拡張して収縮力が低下する病気)を患っていました。
彼女には新しいOCSを使って移植手術が施されました。
後の記者会見で公開されたビデオでは、ドナーの心臓が新OCSに接続される様子が映し出されました。
摘出された心臓は、女性患者が移植を待つ別の手術室に運ばれる間も、鼓動を続けていました。
そして結果は驚くほど良好でした。
手術後、心臓の拍動は力強く安定しており、心筋機能も早期に回復し始めました。

最終的に、患者は心臓が一度も止まることなく日常生活に戻り、その後の検査でも機能は良好であることが示されました。
2024年8月のことでした。
NTUHの医療チームは、「この手術の安全性と実現可能性を実証した」と述べており、新たな標準治療となる可能性に自信を示しています。
また彼らは、「2025年の始めに2度目のゼロ虚血時間・移植手術に成功した」と付け加えました。
ちなみに、スタンフォード大学による2023年と2024年の手術に関する論文では、心臓が摘出されてOCSに接続するまで、短時間(10~30分)の虚血時間があったと報告されています。
今回のNTUHの手術では、2例とも、「心臓は摘出前も摘出後も鼓動しており、一度も止まることなく移植。虚血時間はゼロだった」と報告されています。
今回の報告に多くの人が驚いたのも無理はありません。
この技術はまだ試験段階にありますが、すでに大きな注目を集めています。
「虚血時間ゼロの移植」の普及は、心臓移植の常識を大きく変えるかもしれません。