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宇宙で一番大きな星は?壮大過ぎる星のサイズ (3/3)

2025.05.03 12:00:25 Saturday

前ページ宇宙で一番大きい惑星はどのくらいなのか?

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地球型惑星の最大は?

では、地球のような岩石でできた惑星ならどうでしょうか?

現在、観測によって知られている最大級の岩石惑の1つは、Kepler-277cという星です。

この惑星の直径は、地球の3.36倍倍です。こうした巨大な地球型惑星(岩石惑星)を「スーパーアース(super-Earth)」と呼びます。

先程の恒星の例が極端だったため、直径が3倍と聞くと、思ったほどではないな、と思う人もいるかもしれませんが、体積に換算すれば、直径が3.36倍なら体積は3.36³、つまりおよそ38倍にもなります。

さらに驚くべきはその質量で、なんと地球の約64.2倍にも達しています。

Kepler-277cは見た目の大きさ以上に、非常に高密度の惑星で、平均密度はおよそ9.3 g/cm³にも達し、これは地球の密度(約5.5 g/cm³)を大きく上回ります。

そのためこの惑星の表面重力は、地球の約5.7倍になると予想されています。

この重さはKepler-277cが単なる岩石質ではなく、大量の金属成分(おそらく鉄やニッケル)を内部に含んでいることを示唆しています。

このような惑星が形成される理由は詳しくわかっていませんが、現在考えられている有力なシナリオは2つあります。

ひとつは、Kepler-277cは惑星形成の降着円盤が異常な高密度の固体物質でできており、それが集まって成長したからという説です。

もうひとつは、もともとガス惑星だったが、恒星からの強烈な放射によってガスを失い、中心のコアだけが残ったという可能性です。

恒星に近いガス惑星はガスを吹き飛ばされコアだけが残る可能性がある。/Credit:Wikimedia Commons

ただし、現在観測されているKepler-277cの非常に高い密度を説明するには、単なるガス喪失だけでは不十分な可能性も指摘されています。

系外惑星の観測は、太陽系内の惑星を観測するようにはっきりと見ることはできません。そのためまだこの惑星についてはわからないことが多いのです。

しかし、惑星の中心部も超高圧がかかっていると推測され、地球とはだいぶ異なる極端な環境であることは確かでしょう。

このように、Kepler-277cは単に「地球より少し大きい」などというスケールでは語れない、異常な重力と内部構造を持つ、超巨大な岩石惑星なのです。

宇宙にある天体には理論的な限界があり、無限に大きくなれるわけではありません。

それでも、巨大な天体の持つ極端さは、宇宙の壮大さを感じさせ我々を驚かせてくれます。

【編集注 2025.5.5 7:00】
記事内容に一部誤りがあったため、修正して再送しております。

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宇宙で一番大きな星は?壮大過ぎる星のサイズ (3/3)のコメント

ゲスト

ケプラー277c、いわゆるメガアースというやつなんだろうけど、直径で地球の3.4倍、質量で地球の64倍ってのはいくらなんでも不自然に思える
観測的には直径1.6倍くらいに地球型惑星と天王星・海王星型惑星の境界があると知られてる
測定ミスかもしれないし詳しく調べてみてほしいところ

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