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うつ気分を解消できるスマホアプリを開発!

2025.04.30 07:00:38 Wednesday

うつ病とはっきりとは診断されていないものの、日常的に気分の落ち込みや意欲の低下が続く状態を「閾値下うつ状態」と呼びます。

これは人口の10人に1人が経験しており、特にストレス過多の現代では、その人数が増加傾向にあります。

「自分もこれに当てはまるのでは?」と思っている方は多いかもしれません。

そんな方々に朗報です。

京都大学の研究チームはこのほど、うつ気分の改善に役立つスマートフォンアプリ「レジトレ!®(ResiTore!)」を開発し、その効果を科学的に検証しました。

このアプリでは、自宅で気軽に専門的な認知行動スキルを学び、実践できます。

果たして、どれほどの効果があったのでしょうか?

研究の詳細は2025年4月23日付で学術誌『Nature Medicine』に掲載されました。

スマートフォンで学ぶ5つの認知行動スキルがうつ状態を改善─世界最大の臨床試験で解明─ https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2025-04-25
Cognitive behavioral therapy skills via a smartphone app for subthreshold depression among adults in the community: the RESiLIENT randomized controlled trial https://doi.org/10.1038/s41591-025-03639-1

うつ状態を自宅で改善するには?

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臨床的にうつ病と診断されるほどではないけれど、慢性的に気分が沈んだり、やる気が出なかったりする状態。

これが「閾値下うつ状態」と呼ばれるものです。

世界人口のおよそ11%が経験しているとされ、この状態が長引くと生活の質が下がるだけでなく、将来的に本格的なうつ病へ進行するリスクも高まります。

それにもかかわらず、こうした人々には十分な医療支援が届いていないのが現状です。

そこで注目されtえいるのが「認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy: CBT)」です。

CBTは、ネガティブな思考パターンや避けがちな行動を見直し、現実的で前向きな行動を促すことで、心の状態を改善する心理療法です。

これまでCBTは、専門のセラピストと対面で行うのが一般的でしたが、時間や費用の負担が大きいという課題がありました。

加えて、CBTはいくつものスキルを組み合わせて提供されるため、どのスキルがどの程度効果的かははっきりしていませんでした。

そんな中、研究チームは、より手軽で効率的な方法を模索しました。

そうしてたどり着いたのが、スマホアプリによる自己学習型CBTプログラム「レジトレ!®」だったのです

次ページ長く継続する治療効果が得られた

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